サロンの雰囲気作りにおいて、BGMは空間の印象を決定づける非常に重要な役割を果たします。
しかし、その音量や選曲を少しでも間違えると、お客様が心からくつろぐ時間を妨げ、スタッフとの大切なカウンセリングや会話の邪魔になってしまうこともあります。
せっかくの施術や接客を最高の体験にしていただくためには、音楽の選び方と音量設定に、細心の注意を払うことが不可欠です。
この記事では、サロン経営者や現場で働くスタッフの皆様が明日からすぐに実践できる、お客様に心からくつろいでいただくためのBGMの選び方と、誰でも簡単にできる最適な音量設定の具体的な手順について、専門的な知識も交えながら徹底的に解説します。
結論からお伝えします!お客様が最もリラックスできるサロンBGMの音量と選曲の基本
毎日お忙しいサロンオーナー様やスタッフ様のために、まずはじめにこの記事の結論からお伝えします。
多くのお客様が「心地よい」と感じるBGMの音量や選曲には、実は明確な共通点が存在します。
この章では、難しい理論は一旦置いておき、すぐにあなたのサロンで実践できるBGM選びの基本的な考え方と具体的なポイントを3つに絞ってご紹介します。
この基本を押さえるだけで、お客様の満足度は大きく変わるはずです。
サロンのBGMに最適な音量は人の話し声よりも小さいレベルを意識しましょう
お客様がリラックスできる空間を作る上で、BGMの音量は最も重要な要素の一つと言っても過言ではありません。
理想的な音量は、お客様とスタッフが普通の声で会話する際に、全く気にならないレベルです。
具体的には、人の話し声よりも一段階小さい音量を意識してください。
音楽が自己主張しすぎず、あくまで空間に溶け込むような「背景」としての役割を果たすことが大切です。
大きすぎると会話が聞き取りにくくなり、お客様に無意識のストレスを与えてしまいますし、逆に小さすぎても、ドライヤーの音や他のお客様の話し声が気になってしまい、リラックス効果が半減してしまいます。
まずは「会話を邪魔しない」ことを絶対的な基準として音量を設定してみましょう。
お客様との会話を邪魔しないためにはボーカルなしの楽曲がおすすめです
選曲において最も意識すべき点は、歌詞の有無です。
日本語であれ外国語であれ、はっきりとしたボーカルが入っている楽曲は、お客様の意識を歌詞の内容に向けさせてしまいがちです。
これは、人間の脳が意味のある言葉を聞くと、無意識にその内容を理解しようと働いてしまうためです。
お客様は知らず知らずのうちに歌詞を追ってしまい、カウンセリングの内容が頭に入ってこなかったり、施術中のリラックス状態を妨げられたりします。
そのため、サロンのBGMにはボーカルの入っていない「インストゥルメンタル」と呼ばれる楽器の演奏のみで構成された楽曲を選ぶのが鉄則です。
ピアノソロやアコースティックギター、バイオリンなどの弦楽器が主体の音楽は、会話の邪魔にならず、空間に上質な彩りを加えてくれます。
リラックス効果を最大限に高めるBGMは自然音やヒーリングミュージックです
お客様に心からのリラックスを提供したいのであれば、ヒーリングミュージックや自然音を取り入れるのが最も効果的です。
例えば、小鳥のさえずり、穏やかな波の音、森のせせらぎといった自然の音には「1/fゆらぎ」と呼ばれるリズムが含まれており、これが人間の脳にα波(アルファ波)を発生させ、心身をリラックスさせる効果があることが科学的にも証明されています。
α波とは、脳がリラックスしている時に多く出る脳波のことです。
これらの音は、都会の喧騒から離れた非日常的な空間を演出し、お客様を深いリラクゼーションへと導きます。
特にヘッドスパやエステなど、静かな環境が特に求められる施術との相性は抜群です。
なぜサロンのBGM選びは重要なのか?お客様の満足度に直結する音の力
BGMは単なる「背景で流れている音楽」ではありません。
お客様の心理状態に深く影響を与え、サロン全体の印象やブランドイメージを左右する、非常に強力なツールなのです。
ここでは、なぜサロンにとってBGM選びがそれほどまでに重要なのか、お客様の満足度に直結する「音の力」について、4つの側面から深く掘り下げて解説します。
適切なBGMはお客様の緊張を和らげリラックス効果を促進する大切な要素です
初めて来店されるお客様や、少し緊張されているお客様にとって、心地よいBGMは心を解きほぐす効果があります。
シーンと静まり返った空間では、物音がやけに響き、かえって緊張感が高まってしまいますが、穏やかな音楽が流れていることで、自然と肩の力が抜け、リラックスした状態で施術を受けることができます。
音楽には心拍数や血圧を安定させる効果も期待できるため、お客様が安心して身を委ねられる環境作りに不可欠な要素と言えるでしょう。
会話の邪魔にならないBGM選びはスタッフとお客様の円滑なコミュニケーションを助けます
サロンでの時間は、施術だけでなくお客様とスタッフのコミュニケーションも非常に重要です。
適切な音量と選曲のBGMは、このコミュニケーションを円滑にする潤滑油の役割を果たします。
BGMがうるさくて何度も聞き返すような状況では、お客様は話すこと自体が億劫になってしまい、髪の悩みや要望を正確に伝えられません。
逆に、心地よい音楽が流れる空間では、自然と会話も弾み、髪の悩みやライフスタイルの話題など、より深いカウンセリングに繋がり、お客様との信頼関係を築くきっかけにもなります。
サロンのブランドイメージを確立し他店との差別化を図るための音楽戦略
BGMは、サロンの「らしさ」を表現する重要なブランディングツールです。
音楽は言葉以上に、直感的にお店のコンセプトをお客様に伝えます。
例えば、下記のように音楽を変えるだけで、お客様が抱くサロンのイメージは大きく変わります。
- クラシック音楽 → 上質で落ち着いた、大人のためのサロン
- 軽快なジャズ → 都会的で洗練された、おしゃれなサロン
- ハワイアンミュージック → リゾートのような癒しを提供するリラクゼーションサロン
- 自然音 → オーガニックでナチュラルな雰囲気を大切にするサロン
競合のサロンと差別化を図り、独自のブランドイメージを確立するためにも、コンセプトに合わせた戦略的なBGM選びが求められます。
無音状態が引き起こす気まずい雰囲気を解消し居心地の良い空間を演出します
無音の空間は、時に気まずさを生み出します。
特にマンツーマンで長時間過ごすサロンにおいて、会話が途切れた瞬間の沈黙は、お客様にとってもスタッフにとっても居心地の悪いものです。
また、ドライヤーの音やハサミの音、隣の席の会話などがダイレクトに聞こえてしまうため、落ち着かない雰囲気になりがちです。
適度なBGMは、こうした生活音を優しく包み込み、気まずい沈黙を埋めてくれる「マスキング効果」という役割があります。
マスキング効果とは、ある音によって別の音が聞こえにくくなる現象のことで、BGMが気になる作業音をカモフラージュしてくれるのです。
これにより、常に居心地の良い空間を保つことができます。
お客様との会話の邪魔にならないBGM音量の具体的な調整ステップ
「会話の邪魔にならない音量」と言われても、具体的にどのように調整すれば良いのか迷ってしまいますよね。
感覚だけに頼ると、日によって設定がバラバラになったり、自分では適切だと思っていてもお客様にとってはうるさかったりする可能性があります。
この章では、誰でも簡単に、そしていつでも最適な音量を再現できる、BGM音量の具体的な調整方法を4つのステップに分けて分かりやすくご紹介します。
ステップ1としてまずはお客様がいない状態でBGMを流してみましょう
最初のステップは、開店前や閉店後など、お客様がいない静かな環境で行います。
まずは、サロン空間全体に音楽が均一に行き渡るようにBGMを流してみてください。
この段階では、まだ音量を確定させる必要はありません。
スピーカーの配置によって音の聞こえ方が違う場所がないか、特定の場所に音が偏っていないかなどをチェックし、サロン全体の音響環境を客観的に把握することが目的です。
ステップ2でスタッフ同士が通常の声量で会話しBGMが邪魔にならないか確認します
次に、スタッフ同士でペアになり、一人がお客様役、もう一人が施術者役となって、実際に会話をシミュレーションします。
カウンセリングをする時と同じくらいの、ごく普通の声量で「今日のスタイルはどうしますか?」といった具体的な会話をしてみてください。
この時、BGMによって相手の声が聞き取りにくいと感じたり、無意識に声を張り上げてしまったりするようであれば、音量が大きすぎる証拠です。
会話がスムーズにできるレベルまで、少しずつ音量を下げていきましょう。
ステップ3としてお客様の席で実際に音量を確認し微調整を繰り返すことが重要です
シミュレーションで大まかな音量を決めたら、次は実際にシャンプー台、カット席、待合スペースなど、お客様が利用する様々な場所に座って音量を確認します。
スピーカーからの距離や天井の高さ、壁の材質などによって、場所ごとに音の聞こえ方は微妙に異なります。
特に壁際の席は音が反響して大きく聞こえることがあります。
全ての席で「うるさくなく、かつ小さすぎない」快適な音量になるよう、微調整を繰り返すことが非常に重要です。
営業中の環境音を考慮して少しだけ音量を上げておくのがプロのテクニックです
最後の仕上げとして、営業中の環境音を考慮に入れます。
静かな状態では完璧に思えた音量も、ドライヤーの音や複数のお客様の会話が飛び交う営業中には、かき消されて聞こえなくなってしまうことがあります。
ステップ3で調整した音量から、ほんの少しだけ、意識しないと気づかない程度に音量を上げておくと、営業中の騒音の中でもBGMがその役割を果たし、心地よい空間を維持することができます。
これがプロが行う、一日を通して快適な空間を保つための微調整テクニックです。
お客様を最高にリラックスさせるためのBGMジャンル別徹底比較
サロンのコンセプトやターゲットとするお客様の層によって、最適なBGMのジャンルは大きく異なります。
あなたのサロンにぴったりの音楽を見つけるために、この章では代表的なBGMのジャンルごとに、お客様に与える印象やリラックス効果、そして相性の良いサロンのタイプを比較しながら徹底解説します。
ジャンル | 与える印象 | 相性の良いサロン |
---|---|---|
ヒーリングミュージック | 癒し、安らぎ、非日常 | エステ、リラクゼーションサロン、ヘッドスパ専門店 |
クラシック(室内楽) | 高級感、落ち着き、優雅 | 高単価サロン、アンティーク調の美容室、ホテル内サロン |
スムースジャズ | おしゃれ、都会的、洗練 | トレンド感度の高い美容室、ネイルサロン、メンズサロン |
自然音(波、鳥、森など) | ナチュラル、オーガニック、解放感 | オーガニック系サロン、ナチュラルテイストのサロン、ヨガスタジオ併設サロン |
ヒーリングミュージックは心身を癒し深いリラックス状態へ導く王道の選択肢です
ヒーリングミュージックは、その名の通り癒しを目的として作られた音楽で、エステサロンやリラクゼーションサロン、ヘッドスパ専門店などでは定番の選択肢です。
穏やかなメロディラインとゆったりとしたテンポが特徴で、心拍数を落ち着かせ、心身を深いリラックス状態へと導きます。
特に、自然の音と組み合わせた楽曲は効果が高く、お客様に非日常的な癒しの時間を提供したい場合に最適です。
音楽としての主張が少ないため、どんな内装のサロンにも合わせやすいというメリットもあります。
クラシック音楽は高級感と落ち着きを演出しお客様に特別な時間を提供します
クラシック音楽、特にピアノの独奏曲や弦楽四重奏といった少人数の編成で演奏される「室内楽」は、サロンに高級感と落ち着いた雰囲気をもたらします。
ショパンやドビュッシーといった作曲家の穏やかな曲は、お客様に優雅で特別な時間を過ごしているという感覚を与えてくれます。
ただし、オーケストラによる壮大な交響曲や、激しいオペラなどはリラックスには不向きなので避けるべきです。
客単価の高い大人向けのサロンや、アンティーク調のインテリアで統一されたサロンと非常に相性が良いでしょう。
ジャズの中でも静かなスムースジャズは大人で洗練された雰囲気を醸し出します
ジャズは、お洒落で都会的な雰囲気を演出したい場合に最適なジャンルです。
ただし、アドリブ(即興演奏)が激しいビバップやフリージャズは避け、ピアノトリオによるスロージャズや、サックスが心地よいスムースジャズなどを選びましょう。
程よくリラックスでき、かつ洗練された空間を作り出すことができます。
美容室はもちろん、ネイルサロンやアイラッシュサロンなど、トレンドに敏感なお客様が多いサロンにおすすめです。
自然の音は都会の喧騒を忘れさせオーガニックなサロンイメージにぴったりです
波の音、小鳥のさえずり、風に揺れる木々の音、小川のせせらぎといった「自然の音」だけを収録したBGMも非常に人気があります。
音楽的なメロディがないため、意識を邪魔することが一切なく、究極のリラックス空間を作り出します。
オーガニック系の商材を扱っていたり、ナチュラルテイストの内装であったりするサロンのイメージを強力に補完し、お客様を都会の喧騒から解放してくれます。
ヘッドスパなど、静寂が求められるメニューの際に切り替えて使うのも効果的です。
サロンのBGM選びで絶対に避けたい!お客様の不快感を招くNG例
良かれと思って選んだBGMが、知らず知らずのうちにお客様を不快にさせ、リラックスを妨げているケースは少なくありません。
ここでは、サロンの評判を落としかねない、BGMとして絶対に避けるべき選曲のNG例を具体的にご紹介します。
あなたのサロンが当てはまっていないか、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
歌詞がはっきりと聞き取れる日本のポップスは会話の邪魔になりやすいので注意が必要です
最も避けるべきなのが、歌詞が明確に聞き取れるJ-POPです。
誰もが知っているような流行りの曲は、お客様の意識を完全に音楽に持っていってしまいます。
スタッフとの会話に集中できなくなるだけでなく、お客様によっては好みでない曲が流れること自体が苦痛になる可能性があります。
また、歌詞の内容が失恋ソングなどネガティブなものだった場合、サロンの明るい雰囲気を壊してしまうことにもなりかねません。
アップテンポすぎる楽曲や激しいロックミュージックはリラックス空間には不向きです
お客様がサロンに求めているのは癒しとリラックスです。
そのため、心拍数を上げてしまうようなアップテンポなダンスミュージックや、ギターサウンドが激しいロック、ヘヴィメタルなどはサロンのBGMとして最も不向きなジャンルです。
スタッフの好みで選曲しているサロンで時々見受けられますが、お客様を落ち着かない気分にさせ、早々に退店したくさせてしまう逆効果しかありません。
あくまでお客様目線で、穏やかで落ち着ける曲を選びましょう。
ラジオ放送はCMやDJのトークが雰囲気を壊すためサロンBGMとしては避けましょう
手軽さからラジオを流しているサロンもありますが、これは絶対におすすめできません。
ラジオは音楽の間に、けたたましいCMやDJのトーク、ニュース速報などが頻繁に挟まれます。
せっかくリラックスしていたお客様の気分も、突然のCMで現実に引き戻されてしまいます。
サロンの世界観が完全に破壊され、安っぽい印象を与えてしまうため、BGMとしてはラジオではなく、音楽のみを再生できる専用のサービスを利用すべきです。
時間帯や施術メニューによってBGMを使い分ける高度なテクニック
一歩進んだ「おもてなし」を目指すなら、一日中同じBGMを流しっぱなしにするのではなく、時間帯やお客様に提供する施術内容に合わせて音楽を戦略的に使い分けることをおすすめします。
この章では、お客様の満足度をさらに高めるための、プロフェッショナルなBGM活用術をご紹介します。
午前中は爽やかなボサノバでお客様を迎え午後は落ち着いたピアノ曲でリラックスを促す
人の気分は時間帯によって変化します。
例えば、一日の始まりである午前中には、軽快で爽やかなアコースティックギターのボサノバや、カフェミュージックのような明るい曲調の音楽が適しています。
お客様をポジティブな気分でお迎えすることができます。
一方、疲れが出てくる午後の時間帯には、ゆったりとしたテンポのピアノソロやチェロの楽曲に切り替えることで、お客様に落ち着いたリラックスタイムを提供することができます。
リラクゼーションメニューの際はヒーリング効果の高いアンビエントミュージックを選ぶ
カットやカラーといった通常のメニューと、ヘッドスパやエステティックのようなリラクゼーションを主目的とするメニューでは、求められる音環境が全く異なります。
後者のメニューを行う際には、通常流しているBGMを止め、より深いリラックス効果を持つ「アンビエントミュージック」や、α波を誘発するようなヒーリングミュージックに切り替えましょう。
アンビエントミュージックとは、環境音楽とも呼ばれ、メロディやリズムが控えめで空間に溶け込むような音楽のことです。
こうした細やかな配慮が、お客様にとって「特別な体験」となり、リピートに繋がります。
カットやカラーなど作業音がする施術中は少しだけ音量を上げてマスキング効果を狙う
ドライヤーの音や、シャンプー時の水の音など、施術中に発生する作業音を不快に感じるお客様もいらっしゃいます。
こうした作業音を緩和する「音のマスキング効果」を狙って、該当する施術中はBGMの音量をほんの少しだけ上げるというテクニックもあります。
ただし、あくまで会話の邪魔にならない範囲での微調整が重要です。
作業音を完全に消すのではなく、優しく包み込んで目立たなくさせる、という意識で行うのがポイントです。
これで迷わない!サロン向けBGM提供サービスの具体的なおすすめを紹介
自分でCDを選んだり、プレイリストを作成したりするのは大変ですし、後述する著作権の問題も気になります。
そこでおすすめなのが、店舗向けに提供されている業務用BGMサービスです。
この章では、多くのサロンで実際に導入されている、信頼性の高いおすすめのBGMサービスを具体的にご紹介します。
店舗向けBGMの定番であるUSENは豊富なチャンネルでお店の個性を演出できます
店舗BGMの代名詞ともいえるのが「USEN」です。
最大の魅力は、その圧倒的なチャンネル数にあります。
ヒーリング、ジャズ、クラシックはもちろん、「オーガニックサロン向け」「スタイリッシュな美容室向け」といった業種やコンセプトに特化した専門チャンネルが多数用意されているため、自分のサロンにぴったりのBGMが簡単に見つかります。
音質も非常に高く、上質な空間を演出したいサロンに最適です。
導入には専用チューナーの設置工事が必要な場合がありますが、サポート体制も万全で安心して利用できます。
月額料金がリーズナブルなモンスター・チャンネルは小規模サロンにも導入しやすいです
「モンスター・チャンネル」は、スマートフォンやタブレット、パソコンのアプリを使って手軽にBGMを流せるサービスです。
専用の工事が不要で、インターネット環境さえあればすぐに利用を開始できます。
最大の魅力は月額2,000円台からというリーズナブルな料金設定で、個人経営の小規模サロンや、開業したばかりでコストを抑えたいオーナー様から絶大な支持を得ています。
世界中の数千チャンネルから、業種や雰囲気、時間帯に合わせて最適なBGMを簡単に選べる手軽さが人気です。
おしゃれな選曲で評判のOTORAKUはアプリで簡単に操作できる手軽さが魅力です
「OTORAKU -音・楽-」は、USENが提供する、より手軽なアプリタイプのBGMサービスです。
プロが作成した質の高いプレイリストが豊富に用意されているだけでなく、自分自身で好きな曲を選んでオリジナルのプレイリストを作成できる自由度の高さが特徴です。
他のサロンとは違う、こだわりのBGMを流したいというオーナー様にぴったりです。
直感的に操作できる洗練されたアプリのデザインも魅力で、再生中の楽曲をお客様に尋ねられた際に、すぐにアーティスト名や曲名を表示できる機能も便利です。
サロンのBGMに関する著作権の問題を正しく理解しトラブルを回避しよう
意外と知られていませんが、サロンのような営利目的の施設で市販のCDや個人の音楽配信サービスをそのまま流すことは、著作権法に抵触する可能性が非常に高い行為です。
「知らなかった」では済まされないトラブルを未然に防ぐため、サロンオーナーとして必ず知っておくべき著作権の基本知識を分かりやすく解説します。
著作権トラブルを避けるためのポイント
・市販のCDやダウンロード音源の無断使用はNG!
・個人向け音楽アプリの商用利用は規約違反!
・店舗向けBGMサービスを契約するのが最も安全で簡単!
市販のCDやダウンロードした音源を店舗で流す場合は著作権手続きが必要です
個人的に楽しむために購入したCDや、iTunesなどでダウンロードした楽曲には、作詞家や作曲家が持つ「著作権」と、アーティストやレコード会社が持つ「著作隣接権」という権利が含まれています。
これらの楽曲を不特定多数のお客様が訪れる店舗でBGMとして流す行為は「演奏権」の侵害にあたるため、原則としてJASRAC(日本音楽著作権協会)などの管理団体への利用許諾申請と、所定の著作権使用料の支払いが必要になります。
この手続きを怠ると、法律に基づき罰則が科される可能性があります。
個人のスマートフォンに入っている音楽配信サービスの利用は商用利用規約で禁止されています
Apple MusicやSpotify、LINE MUSICといった個人向けの音楽ストリーミングサービスは非常に便利ですが、これらのサービスの利用規約には「個人的な、非商用目的での利用」に限定すると明記されています。
そのため、たとえ月額料金を支払っていても、これらのサービスを店舗BGMとして利用することは明確な規約違反となります。
発覚した場合にはサービスの利用停止だけでなく、権利者から損害賠償を請求されるリスクもあるため、絶対に使用してはいけません。
著作権問題をクリアする最も簡単な方法は商用利用可能なBGMサービスを契約することです
複雑な著作権の手続きを個人で行うのは非常に煩雑で、現実的ではありません。
そこで最も安全かつ簡単な解決策が、先ほどご紹介したUSENやモンスター・チャンネル、OTORAKUといった、商用利用が許可されている店舗向けBGMサービスを契約することです。
これらのサービスは、月額利用料の中に著作権処理に関する費用も含まれているため、契約するだけで何千、何万という楽曲を、一切の心配なく合法的に店舗で流すことができます。
お客様からの貴重なフィードバックをBGM改善に活かす方法
最高のBGM環境を追求する旅に、終わりはありません。
自分たちが良いと思っていても、お客様は違う感じ方をしているかもしれません。
サロンの音環境を常に最適な状態に保つためには、お客様からの声に真摯に耳を傾けることが不可欠です。
この章では、お客様からの貴重な意見をBGMの改善に繋げるための具体的な方法をご紹介します。
会計時やカウンセリングの際にBGMの音量や選曲についてさりげなく感想を伺う
最も手軽で効果的な方法は、お客様との会話の中で直接感想を伺うことです。
お会計の際や施術後のアフターカウンセリングの際に、「今日のBGM、うるさくなかったですか?」や「お店の音楽、いかがでしたか?」といった形で、さりげなく尋ねてみましょう。
特に常連のお客様であれば、率直な意見を聞かせてくれる可能性が高いです。
多くのお客様はわざわざ口には出しませんが、尋ねられることで「実は…」という本音を引き出せるかもしれません。
お客様アンケートにBGMに関する項目を追加して定量的なデータを収集する
より客観的なデータを集めるためには、お客様アンケートにBGMに関する設問を追加するのが有効です。
「BGMの音量は適切でしたか?(大きい・ちょうど良い・小さい)」や「BGMの選曲はリラックスできましたか?(できた・普通・できなかった)」といった選択式の質問を用意することで、多くのお客様からの意見を定量的に把握できます。
フリーコメント欄を設ければ、より具体的な改善のヒントが得られることもあります。
スタッフ間でお客様の反応を共有し定期的にBGMを見直す会議を開く
お客様のBGMに対する反応は、特定のスタッフだけが気づいている場合もあります。
「〇〇様が、今日のジャズは素敵だとおっしゃっていました」「△△様は、少し音が大きいと感じていたようです」といった情報を、スタッフ全員で共有する仕組みを作りましょう。
そして、月に一度など定期的に、集まったお客様の声やスタッフが感じたことを元にBGMの選曲や音量設定を見直すミーティングを開くことで、サロン全体の音環境の質を継続的に向上させていくことができます。
まとめ
ここまで、お客様が心からリラックスできるサロンのBGM選びと音量設定について、具体的な方法を多角的に解説してきました。
最後に、この記事でご紹介した最も重要なポイントを振り返ります。
この記事の内容を参考に、ぜひあなたのサロンにしかない、最高の音環境を創り上げてください。
会話の邪魔にならない音量とリラックスできる選曲がお客様の満足度を高める鍵です
サロンBGMの成功は、たった二つの要素に集約されます。
それは「会話の邪魔にならない、絶妙な音量」と「お客様を心からリラックスさせる、ボーカルなしの選曲」です。
この二つを徹底するだけで、お客様の居心地の良さは劇的に向上し、満足度とリピート率の向上に直結します。
常に「お客様にとって快適か」という視点を忘れずに、BGMを選んでいきましょう。
BGM選びはサロンのブランドイメージを形成する重要なマーケティング活動の一環です
BGMは単なる作業用の音楽ではなく、サロンのコンセプトや世界観をお客様に伝えるための、非常に強力なマーケティングツールです。
どんなお客様に来てほしいのか、サロンでどんな時間を過ごしてほしいのかを考え、戦略的に音楽を選ぶことで、他店にはない独自の魅力を創り出し、お客様から「選ばれるサロン」になることができます。
著作権を正しく理解し適切なサービスを利用することでお客様に安心と快適さを提供できます
お客様に最高のサービスを提供するプロフェッショナルとして、コンプライアンスの遵守は当然の責務です。
著作権について正しく理解し、USENやモンスター・チャンネルといった適切な業務用BGMサービスを利用することは、法的なリスクを回避するだけでなく、お客様にクリーンで安心できる環境を提供しているという誠実な姿勢を示すことにも繋がります。
正しい知識で、お客様とサロン自身を守りましょう。
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