サロンを開業するにあたり、施術の技術と同じくらい、いえ、もしかしたらそれ以上に重要になるのが、お客様が多くの時間を過ごす空間、つまりインテリアです。
おしゃれで居心地の良い空間は、お客様に「またこのサロンに来たいな」と思っていただけるための、非常に大切な要素になります。
しかし、いざインテリアを考え始めると「どんなテーマにすればいいの?」「色の組み合わせってどうすれば?」「どうやったらチグハグにならない、統一感のある空間が作れるんだろう…」と、次から次へと悩みが出てきて手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インテリアの知識やセンスに自信がない初心者の方でも迷うことなく、お客様からもスタッフからも愛される、統一感のある素敵なサロンインテリアを作り上げられるように、テーマと色の決め方を具体的なステップで分かりやすく解説します。
まず結論から!サロンインテリアの統一感を出すテーマと色の決め方5ステップ
時間がない方、まずは全体像を把握したい方のために、最初に結論からお伝えします。
統一感のあるサロンインテリアを実現するためには、感覚だけで進めるのではなく、決まった手順を踏むことが成功への最短ルートです。
これから紹介する5つのステップに沿って一つずつ進めていけば、誰でも理想の空間作りの「ブレない軸」を固めることができます。
具体的な方法は、この後の章で一つひとつ詳しく解説していきますので、まずは「この順番で進めればいいんだな」と全体像を掴んでください。
サロンインテリア5つのステップ
- ステップ1:コンセプトの明確化
サロンが提供したい価値やターゲット顧客を具体的にする - ステップ2:テーマの決定
コンセプトを表現するインテリアの方向性を決める - ステップ3:カラープランニング
テーマを表現するメインカラーとサブカラーを決める - ステップ4:アイテムの選定
テーマと色に合った家具や照明などを選ぶ - ステップ5:レイアウトと配置
選んだアイテムを効果的に配置して空間を完成させる
ステップ1でサロンが提供したい価値やターゲット顧客を明確にする決め方をします
全ての土台となるのが、このステップです。
まず最初に行うべきことは、あなたのサロンが「どのようなお客様に、どのような価値を提供したいのか」を具体的に言葉にすることです。
例えば「忙しい日常を忘れて心からリラックスしてほしい30代の働く女性」がターゲットなら、落ち着いた癒しの空間が求められます。
このコンセプトが、後のテーマや色を決める上での全ての判断基準となり、最も重要な決め方になります。
ステップ2でコンセプトに沿ったインテリアのテーマを決めていきます
サロンのコンセプトという「届けたい想い」が決まったら、次はその想いを形にするためのインテリアテーマを決定します。
例えばコンセプトが「心からのリラックス」なら「ナチュラル」や「アジアンリゾート」、コンセプトが「最先端の美」なら「モダン」や「スタイリッシュ」といったテーマが考えられます。
このテーマ決めによって、インテリア全体の方向性が定まり、家具や小物を選ぶ際に迷いがなくなります。
これが統一感を出すための大きな指針となります。
ステップ3でテーマを表現するメインの色とサブの色を決める段階です
インテリアテーマが決まったら、次はそのテーマの世界観を表現する色の組み合わせを考えます。
やみくもに色を選ぶのではなく、空間の大部分を占める「ベースカラー」、空間の主役となる「メインカラー」、そして空間を引き締める「アクセントカラー」の3種類を決めるのが基本です。
この色の決め方が、サロンの印象を直接的に左右し、誰が見てもおしゃれだと感じる統一感を演出する鍵となります。
ステップ4でテーマと色に合った家具や照明などのアイテムを選定します
テーマとカラーパレットという設計図が固まったら、いよいよ具体的なインテリアアイテムを選んでいきます。
壁紙や床材、カーテンといった面積の広いものから、ソファ、施術ベッド、棚、照明、小物に至るまで、決めたテーマとカラーパレットから外れないように選ぶことが、統一感を損なわないための非常に重要なポイントです。
一つひとつのアイテムは素敵でも、テイストがバラバラだと雑然とした印象になってしまいます。
ステップ5で選んだアイテムを効果的に配置して空間全体の統一感を完成させます
最後に、選んだこだわりのインテリアアイテムをサロン空間に配置していきます。
ただ置くだけでなく、お客様の入口からの動線(人の通り道)や視線の動きを意識して配置することが大切です。
まずはソファや棚といった大きな家具から配置を決め、その後でクッションや観葉植物といった小さな装飾品を加えていくと、バランスの取れた統一感のある空間に仕上がります。
なぜサロンのインテリアにはテーマと色の統一感が重要なのかを解説
そもそも、なぜこれほどまでにサロンのインテリアにおける「テーマ」と「色」の統一感が重要視されるのでしょうか。
それは、統一感のある空間がお客様に与える印象や、サロンのブランドイメージそのものに直結するからです。
ここでは、その重要性を3つの側面から深く掘り下げて解説します。
統一感のあるインテリアはお店のコンセプトをお客様に直感的に伝える役割があります
統一感のあるインテリアは、言葉で「私たちのサロンはこういうお店です」と説明しなくても、あなたのサロンがどのような場所なのかをお客様に直感的に伝えてくれます。
例えば、白と木目を基調としたナチュラルなインテリアであれば「癒し」や「オーガニック」「肌に優しい」といったイメージが伝わりますし、コンクリート打ちっぱなしのモダンな空間なら「スタイリッシュ」や「先進的」「効果が出そう」な印象を与えるでしょう。
このように、インテリアはサロンの無言のプレゼンターであり、施術を受ける前からお客様の期待感を高める効果があるのです。
記憶に残りやすい空間作りはサロンのブランディングとリピート率向上に繋がります
特徴のない、どこにでもあるようなインテリアのサロンは、残念ながらお客様の記憶に残りづらいものです。
逆に、テーマと色がしっかりと統一された空間は、お客様に強い印象を与え「あの素敵な空間のサロン」として記憶に残りやすくなります。
これがサロンの個性となり、他店との差別化、つまりブランディングに繋がります。
居心地の良い空間は、お客様の満足度を直接的に高め、「またあの空間で癒されたい」という再来店を促す強力なフックになるのです。
働くスタッフのモチベーションを高めサロン全体の雰囲気を良くする効果があります
素敵なインテリアは、お客様のためだけのものではありません。
毎日その空間で働くスタッフにとっても、気持ちよく仕事ができる環境は非常に重要です。
おしゃれで統一感のある、自慢できるような職場は、スタッフのエンゲージメントや仕事へのモチベーションを高めます。
スタッフがいきいきと誇りを持って働く姿は、サロン全体の雰囲気を明るくし、そのポジティブな活気はお客様にも必ず伝わるものです。
サロンのコンセプトを明確にするというテーマの決め方の第一歩
すべての基本となるのが「サロンのコンセプト」です。
ここが曖昧なままでは、どんなにおしゃれな家具を揃えても、ちぐはぐでメッセージ性のない、ただの「モノの集まり」になってしまいます。
ここでは、サロンの核となるコンセプトを明確にするための具体的な考え方や決め方について解説します。
どのようなお客様に来てほしいのかターゲット層を具体的にイメージする決め方
まずは、あなたのサロンのメインターゲットとなるお客様像(ペルソナ)を、できるだけ具体的に想像してみましょう。
年齢、性別、職業、ライフスタイル、美容への関心度、どのような悩みを持っているかなどを細かく設定します。
- 名前: 佐藤恵さん
- 年齢: 38歳
- 職業: IT企業のマネージャー
- 居住地: 都心のマンション
- ライフスタイル: 平日は多忙。週末はヨガやカフェ巡りでリフレッシュ。
- 悩み: PC作業による肩こりと目の疲れ。年齢による肌のくすみも気になっている。
- 求めること: 誰にも邪魔されず、心からリラックスできるご褒美時間が欲しい。
このように具体的な人物像を描くことで、その人が好みそうな空間のヒントが自ずと見えてきます。
この「たった一人のお客様」に喜んでもらう、という視点がブレない軸を作るのです。
サロンを通じてお客様に何を提供したいのか提供価値を言葉にする決め方
次に、そのターゲット顧客に対して、あなたのサロンが何を提供できるのか(提供価値)を考えます。
それは単なる施術メニューではありません。
「最高のリラクゼーション」「最新の美容技術による確かな結果」「忙しい日常から解放される特別な時間」など、サロンが提供したい中核的な価値を短い言葉にしてみましょう。
この提供価値が、インテリアのテーマを決める上での重要なキーワードになります。
競合となる他のサロンを調査して自分のサロンの独自性を見つける決め方
自分のサロンを開業するエリアの競合店がどのようなコンセプトやインテリアなのかをリサーチすることも非常に重要です。
ウェブサイトやSNS、クーポンサイトをチェックしたり、可能であれば実際に足を運んでお客様としてサービスを受けてみたりして情報を集めましょう。
他店の価格帯、内装のテイスト、客層、強みを知ることで、自分のサロンが打ち出すべき独自性や差別化のポイントがはっきりと見つかり、より明確なコンセプト設定に繋がります。
参考にしたいサロンインテリアのテーマ別具体例と色の選び方
コンセプトが固まったら、それを形にするインテリアテーマを選びましょう。
ここでは、サロンで人気の高いインテリアテーマをいくつかピックアップし、それぞれの特徴と、それに合わせた色の選び方や決め方をご紹介します。
あなたのサロンのコンセプトに最も近いテーマを見つけ、理想の空間を具体的にイメージしてみてください。
癒しと安らぎを与えるナチュラルテイストのインテリアテーマと色の決め方
ナチュラルテイストは、幅広い年齢層に好まれる、最も人気の高いテーマです。
木材や植物、コットンやリネンといった自然素材をふんだんに使い、温かみのある優しい空間を演出します。
色の決め方としては、ベージュやアイボリー、オフホワイトをベースに、アースカラーと呼ばれるブラウンやグリーンを組み合わせるのが基本です。
大きな観葉植物をシンボルツリーとして置いたり、IKEAの「SKOGSTA スコグスタ」シリーズのような無垢材の家具を取り入れたりすると、より本格的な雰囲気が出ます。
リラクゼーションサロンやオーガニック系のサロンに特におすすめです。
洗練された都会的な印象を与えるモダンテイストのインテリアテーマと色の決め方
モダンテイストは、無駄な装飾を省いた、シンプルで都会的な空間を目指すテーマです。
ガラスや金属(ステンレス、アイアン)、レザー、コンクリートといった無機質な素材を使い、直線的なデザインの家具を選ぶのが特徴です。
色の決め方としては、白、黒、グレーといった無彩色を基調とし、差し色としてネイビーや赤などを少量加えると空間がドラマチックに引き締まります。
例えば、ニトリの「Nステイツ」シリーズのようなシャープなデザインのソファや、光沢のある家具を選ぶとモダンな印象が強まります。
メンズサロンや美容クリニック、都会的なイメージのネイルサロンなどにぴったりです。
高級感と非日常を演出するアンティークやクラシックなテーマと色の決め方
アンティークやクラシックテイストは、優雅で重厚感のある、非日常的な空間を作りたいサロンにおすすめのテーマです。
猫脚の家具やシャンデリア、ゴールドのフレームの装飾的な鏡などが象徴的なアイテムです。
色の決め方としては、深みのあるボルドーやネイビー、ダークブラウンなどを基調とし、ゴールドやシルバーをアクセントに加えると一気に高級感が生まれます。
ZARA HOMEや海外のインテリア通販サイトなどで、デザイン性の高い装飾品や照明を探すのも良いでしょう。
客単価の高いエステサロンや、特別な時間を提供したいプライベートサロンに最適です。
リゾート気分を味わえるアジアンやボヘミアンなテーマと色の決め方
アジアンテイストやボヘミアンテイストは、お客様をバリ島のようなリゾート地にいるかのような、解放的な気分にさせるテーマです。
ラタン(籐)やバンブー(竹)といった素材の家具や、マクラメ、エスニックな柄のファブリックを取り入れるのがポイントです。
色の決め方としては、ブラウンやテラコッタカラーをベースに、ターコイズブルーやオレンジといった鮮やかな色を組み合わせると、エキゾチックな雰囲気を演出できます。
Francfranc(フランフラン)などで見つかる個性的なクッションやラグをアクセントに取り入れると効果的です。
リラクゼーションサロンやヘッドスパ、ヨガスタジオなどにおすすめです。
サロンの印象を決定づけるメインカラーとアクセントカラーの決め方
サロン空間の色の決め方は、全体の印象を左右する極めて重要な工程です。
ここでは、空間に統一感とメリハリを生むための、「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」という3つの色の役割と、その効果的な配分(黄金比率)、決め方について詳しく解説します。
このルールを知っているだけで、インテリア作りがぐっと簡単になります。
空間の7割を占める壁や床などベースカラーの理想的な色の決め方
ベースカラーは、壁、天井、床など、内装の最も大きな面積を占める色で、空間全体の約70%を占めるのが理想とされています。
この色は全ての色の背景となるため、あまり主張の強い色ではなく、アイボリーやオフホワイト、ライトグレー、薄いベージュなど、他の色を引き立てるベーシックな色を選ぶのが一般的です。
このベースカラーの決め方が、後から選ぶ家具や小物の色を美しく見せるための、いわば「キャンバス」作りとなります。
空間の2割5分を占めるソファやカーテンなどメインカラーの決め方
メインカラーは、その名の通り、その空間の主役となる色です。
ソファやカーテン、ラグ、大きな家具など、空間の約25%を占めるように配色します。
この色は、サロンのテーマを最も象徴する色であり、お客様に与えたい印象をここで表現します。
例えば、ナチュラルテイストなら癒しのグリーンや温かみのあるブラウン、モダンテイストならクールなチャコールグレーといった色を選ぶと、テーマ性がぐっと高まり、空間のコンセプトが明確になります。
空間の5分を占める小物やクッションなどアクセントカラーの決め方
アクセントカラーは、クッションやアート、花瓶、小物などで取り入れる「差し色」で、空間全体の約5%程度というごく小さな面積で使うのがコツです。
この色は、空間にメリハリと個性を与える、いわば「アクセサリー」のような役割を果たします。
メインカラーの反対色を選ぶとドラマチックでおしゃれな印象に、同系色の濃い色を選ぶとまとまりのある落ち着いた印象になります。
このアクセントカラーの決め方次第で、空間が一気にプロっぽく引き締まります。
統一感を出すためのインテリアアイテムの選び方と配置のコツ
テーマとカラーが決まったら、次は具体的なアイテム選びと配置です。
どんなに素晴らしいテーマを掲げても、選ぶアイテムや置き方がバラバラでは統一感は生まれません。
ここでは、サロン全体の調和を生み出すための、家具や照明、小物の選び方と、効果的な配置方法の決め方について解説します。
素材感やデザインの方向性を揃えるという家具選びの基本的な決め方
統一感を出すためには、家具の素材感(マテリアル)やデザインのテイストを揃えることが非常に重要です。
例えば、ナチュラルテイストで統一すると決めたなら、家具はできるだけ木製の温かみのあるものや、ファブリック素材のものを選びます。
この時、木の種類(オーク、ウォールナットなど)や色味を揃えると、より洗練された印象になります。
無印良品のオーク材シリーズのように、同じシリーズで揃えるのも、初心者でも簡単に統一感を出せるテクニックです。
空間の雰囲気を大きく左右する照明の選び方と光の色の決め方
照明は、空間の雰囲気を劇的に変える力を持つ、非常に重要なインテリア要素です。
天井に一つだけ照明を置く「一室一灯」ではなく、ペンダントライトやフロアランプ、間接照明などを組み合わせる「一室多灯」で、光に陰影をつけることで、空間に奥行きとムードが生まれます。
光の色も重要で、リラックス空間にはオレンジ色の温かみのある「電球色」、スタイリッシュな空間には白い光の「昼白色」が適しています。
PanasonicやKOIZUMIといった大手メーカーのカタログは非常に参考になります。
お客様の視線が集まるフォーカルポイントを作るインテリアの決め方
空間の中に、お客様がドアを開けた瞬間に視線が自然と集まる「フォーカルポイント」を作ると、空間全体が引き締まり、サロンの意図が伝わりやすくなります。
例えば、受付カウンターの後ろの壁に印象的なアートを飾る、待合スペースにデザイン性の高い一人掛けソファを置く、特徴的なデザインの大きな鏡を設置するなどです。
どこか一箇所に「見せ場」を作るという決め方をすることで、視線が分散して散らかった印象になるのを防ぎます。
お客様とスタッフの動きやすさを考慮した動線計画と家具配置の決め方
見た目のおしゃれさだけでなく、お客様とスタッフがスムーズに、そして安全に移動できる動線を確保することも、サロンインテリアの重要な要素です。
受付から待合、施術スペース、パウダールーム、トイレへの流れをシミュレーションし、通路の幅を十分に確保した家具配置を考えましょう。
一般的に、人が一人通るのに最低60cm、すれ違う可能性がある場所は90cm~120cmの幅が必要とされています。
窮屈な空間は、お客様に無意識のストレスを与えてしまいます。
実際の寸法をメジャーで測りながら、余裕を持ったレイアウトの決め方をすることが大切です。
限られた予算でサロンのインテリアに統一感を出す賢い決め方
サロンの開業には多くの費用がかかるため、インテリアにかけられる予算は限られていることが多いでしょう。
しかし、予算が少なくても工夫次第で、統一感のあるおしゃれな空間を作ることは十分に可能です。
ここでは、コストを抑えつつ理想のサロンインテリアを実現するための賢い決め方を紹介します。
お金をかける部分とかけない部分の優先順位をつけるという決め方
すべてのインテリアアイテムを高級品で揃える必要は全くありません。
予算内で最大限の効果を出すためには、投資する部分と節約する部分のメリハリをつけることが重要です。
- お客様が直接触れる・長時間過ごすもの (例: ソファ, 施術ベッド)
- サロンの顔となるもの (例: 受付カウンター, メイン照明)
- 耐久性が求められるもの (例: 床材)
【コストを抑えても良いアイテム】
- 装飾的な小物 (例: 花瓶, アートポスター)
- サイドテーブルや小さな棚
- ラグやクッションカバー
お客様の満足度に直結する部分にはしっかりとお金をかけ、その他の装飾品はIKEAやニトリといったコストパフォーマンスの高いブランドを活用するなど、賢いお金の使い方の決め方をしましょう。
壁紙や塗装で空間の印象を大きく変えるコストパフォーマンスの高い決め方
空間の印象を最も手軽に、かつ劇的に変えることができるのが壁です。
壁の一面だけをアクセントウォールとして、テーマに合った色や柄の壁紙に変えるだけで、空間の雰囲気は一変します。
これは費用対効果が非常に高いテクニックです。
壁紙の張り替えが難しい場合は、塗装も有効な手段です。
日本ペイントや関西ペイントなどのメーカーから様々な色の塗料が販売されており、DIYで挑戦すれば費用を大きく抑えることができます。
ファブリック類や小物でテーマ性や色の統一感を演出する決め方
カーテンやクッションカバー、ラグといったファブリック類は、比較的安価でありながら、空間のテーマ性や色の統一感を出すのに非常に効果的なアイテムです。
これらをアクセントカラーで揃えるだけで、簡単におしゃれな空間が作れます。
また、季節ごとに色を変えて雰囲気をリフレッシュすることも容易です。
アートポスターや観葉植物、フラワーベースなどの小物も、テーマに沿ったものを選ぶことで、低予算でも空間の質をぐっと高めることができます。
お客様がリラックスできる空間を作るための色の心理効果と活用法
色は、人の心理に大きな影響を与えることが科学的に知られています。
サロンのインテリアに使う色を戦略的に選ぶことで、お客様にリラックスしてもらったり、心地よい気分になってもらったりすることが可能です。
ここでは、代表的な色が持つ心理効果と、それをサロンインテリアに活かすための決め方について解説します。
安心感とリラックス効果をもたらす青色や緑色のインテリアへの取り入れ方
青色や緑色といった寒色系の色は、心拍数や血圧を落ち着かせ、深いリラックス効果をもたらす色として知られています。
自然の海や森を連想させるこれらの色は、特にリラクゼーションサロンやヘッドスパ、整体院など、心身の癒しを重視するサロンに最適です。
壁の一面を落ち着いたブルーグレーにしたり、観葉植物のグリーンを各所に配置したりすることで、お客様が心からくつろげる空間の決め方ができます。
温かみや親しみやすさを与えるベージュやブラウンといった色のインテリア活用法
ベージュやブラウンといったアースカラーは、木の幹や大地を連想させ、人に温かみや安心感、親しみやすさを与える色です。
どのようなテーマにも合わせやすく、失敗が少ない万能カラーでもあります。
木製の家具を多く使ったり、ベージュ系のファブリックをベースにコーディネートしたりすることで、緊張をほぐし、アットホームで居心地の良いサロンの雰囲気を作ることができます。
初めて来店するお客様の不安を和らげる効果も期待できます。
清潔感と広さを感じさせる白色のインテリアでの効果的な使い方と決め方
白色は、清潔感や純粋さ、誠実さを象徴し、空間を実際よりも広く明るく見せる効果があります。
美容クリニック併設のサロンや、脱毛サロン、ホワイトニングサロンなど、衛生面や信頼性を特にアピールしたいサロンに適しています。
ただし、白一色だと冷たく無機質な印象になりがちなので注意が必要です。
木製の家具や温かみのある色の小物を組み合わせる、質感の異なる白(塗り壁、タイル、ファブリックなど)を混ぜる、といった決め方をすることで、清潔感と温かみを両立させた空間を演出できます。
やってはいけないサロンインテリアのテーマと色の決め方の失敗事例
理想のサロンを目指すあまり、良かれと思ってやったことが逆効果になってしまう、陥りがちな失敗パターンというものが存在します。
せっかくのインテリア計画が台無しにならないよう、よくある失敗事例とその原因を知っておくことは非常に重要です。
ここでは、絶対に避けるべきインテリアのテーマと色の決め方について解説します。
好きなものをただ集めただけでテーマや色の統一感がないインテリアの失敗例
「このソファ可愛い!」「この照明もおしゃれ!」と、好きなデザインの家具や、気に入った色の小物を、何の計画もなしにただ集めてしまうのは最もよくある失敗です。
一つひとつのアイテムはとても素敵でも、テイスト(ナチュラル、モダンなど)や色がバラバラでは、全体としてまとまりのない、雑然とした印象の空間になってしまいます。
必ず最初に決めたテーマとカラーパレットという「軸」からブレないようにアイテムを選ぶ、という決め方を徹底しましょう。
色を使いすぎてしまい落ち着きのないごちゃごちゃした印象になる色の決め方
空間をおしゃれに見せようとして、たくさんの色を使いすぎてしまうのもよくある失敗の原因です。
色数が多いと、視線がどこにも定まらず、脳が情報を処理しきれずに落ち着かない印象を与えてしまいます。
インテリアに使う色は、前述した基本の3色(ベース、メイン、アクセント)に絞るのが、統一感を出すための鉄則です。
この基本の色の決め方を守るだけで、空間は驚くほど洗練され、すっきりとまとまります。
生活感が出すぎてしまい非日常感を損なうインテリアの決め方の失敗例
サロンは、お客様にとって日常を忘れられる特別な場所であるべきです。
そのため、スタッフの私物(スマートフォンや飲み物など)や事務用品、掃除道具、ごちゃごちゃした配線コードなどがお客様の目に見える場所に置かれていると、一気に生活感が出てしまい、非日常的な空間の魅力が半減してしまいます。
見せたくないものは、扉付きの収納やバックヤードにきちんと隠すという収納計画の決め方が、サロンの品格を保つ上で不可欠です。
理想のサロンインテリアを実現するために役立つ情報収集サイトの紹介
理想のサロンインテリアを具体的にイメージするためには、たくさんの良い事例を見ることが一番の近道です。
世の中には、インテリアのヒントに溢れた素晴らしいウェブサイトやアプリがたくさんあります。
ここでは、テーマや色の決め方の参考になる、プロも活用する情報収集ツールをご紹介します。
膨大なインテリア画像から好みのテーマや色の事例を探せるPinterestの活用法
Pinterest(ピンタレスト)は、世界中の美しい画像を検索・収集できるサービスで、インテリアのアイデア探しには欠かせないツールです。
「サロン インテリア ナチュラル」や「ネイルサロン 内装 モダン グレー」のように、複数のキーワードを組み合わせて検索するだけで、あなたのイメージに近い膨大な数の参考画像を見つけることができます。
気に入った画像を自分の「ボード」に集めていくことで、自分の好みの方向性やテーマの決め方のヒントが明確になります。
おしゃれな実例が豊富でリアルなインテリアの決め方がわかるInstagramの活用法
Instagram(インスタグラム)も、インテリアの情報収集に非常に役立ちます。
「#サロンインテリア」や「#店舗デザイン」「#プライベートサロン内装」といったハッシュタグで検索すると、実際に運営されているサロンのおしゃれなインテリア写真がたくさん見つかります。
個人のサロンオーナーがこだわって作った空間のリアルな事例は、予算感やアイテムの選び方など、より具体的な決め方の参考になるでしょう。
一般の人の部屋作りからプロの事例まで多様な実例が見られるRoomClipの活用法
RoomClip(ルームクリップ)は、日本最大級の住まいとインテリアの実例写真共有サービスです。
一般の方の素敵な部屋作りがメインですが、「店舗」や「サロン」「施術室」といったタグで検索すると、個人サロンのインテリア事例も多く見つかります。
使用している家具のブランド名や購入先が記載されていることも多く、「このアイテムはどこで買えるの?」という疑問を解決できる、非常に実践的なサイトです。
まとめ
ここまで、サロンの印象を決定づけるインテリアのテーマと色の決め方について、具体的なステップと共にお伝えしてきました。
最後に、この記事の重要なポイントを改めて振り返り、あなたが理想のサロン空間を実現するための最後の一押しをしたいと思います。
サロンのインテリアはコンセプトという軸を基にテーマと色を決めることが重要です
サロンのインテリア作りで最も大切なことは、最初に「誰に、何を提供したいのか」というコンセプトを、時間をかけてでもしっかりと固めることです。
そのコンセプトという揺るぎない軸があれば、おのずとテーマの方向性が定まり、色の決め方もスムーズに進みます。
感覚だけに頼らず、この記事で紹介したような論理的なステップを踏むことで、誰が見ても素敵だと感じる、統一感のあるブレない空間が生まれます。
統一感のあるインテリアはお客様の満足度とサロンのブランド価値を高めます
テーマと色が美しく統一されたインテリアは、ただおしゃれなだけでなく、サロンのコンセプトをお客様に無言で伝え、居心地の良さを提供し、記憶に残るブランドイメージを構築します。
この空間への投資は、単なる経費ではなく、お客様の満足度を高め、リピート率を向上させるための最も重要な戦略の一つです。
あなたにしか作れない、あなたの想いが詰まった特別な空間を創り上げてください。
この記事で解説したステップを参考にあなただけの理想のサロン作りを始めてください
この記事でご紹介したテーマと色の決め方のステップや、具体的な事例、情報収集の方法を参考に、ぜひ今日からあなただけの理想のサロン作りを始めてみてください。
一つひとつのステップを丁寧に進めていけば、きっとお客様からもスタッフからも愛される、統一感のある素晴らしいサロンインテリアが完成するはずです。
あなたのサロンの成功を心から応援しています。
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