和室を改装して、自分だけのエステサロンを開きたい。そう考えているあなたへ、心からのエールを込めてこの記事をお届けします。
和室ならではの落ち着いた雰囲気を最大限に活かしつつ、お客様が心からリラックスできる特別な空間を作り上げるためのインテリアコーディネート術を、初心者の方にも分かりやすく具体的にお伝えします。多くの方が悩む「畳の上にエステベッドを置く際の対策」から、低予算で実現できる家具選び、プロ顔負けの照明テクニックまで、明日からすぐに実践できる手順を詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
和室エステサロン成功の鍵は畳の保護と統一感のある空間コーディネートにあります
和室をエステサロンとして成功させるためには、まず最も重要なポイントを理解することが大切です。それは、繊細な「い草」でできている畳を、施術ベッドの重さや日々の湿気から守り抜くための確実な対策と、部屋全体に調和と世界観をもたらす統一感のあるインテリアコーディネートです。
この二つの土台をしっかりと固めることで、お客様に「このサロンはきちんと管理されていて安心できる」という信頼感と、日常を忘れさせてくれるような癒しを提供できる、魅力的なサロンが完成します。
お客様が最初に目にする床の状態がサロンの清潔感を左右する重要な要素になります
エステサロンにおいて、清潔感は技術や接客と同じくらい、あるいはそれ以上に重要な生命線です。特に和室の場合、お客様は靴を脱いで空間に足を踏み入れるため、畳の状態がサロン全体の印象を大きく左右します。
もし畳にベッドの脚が食い込んだへこみや、ささくれだった傷があれば、それだけで「管理が行き届いていないのかな?」という不安感を与えかねません。施術ベッドという重量物を置くからこそ、床面の保護は最優先で取り組むべき課題です。美しく整えられた床は、サロンの信頼性とプロ意識の表れであり、お客様が安心して身を委ねられる空間作りの第一歩となります。
和室の良さを消さずにエステサロンの特別感を演出するコーディネートの重要性
和室が持つ、静かで落ち着いた雰囲気や、い草のかすかな香りは、リラクゼーションを目的とするエステサロンにとって、他にはない大きな強みです。しかし、ただ和室にぽつんとベッドを置いただけでは、どうしても「誰かの家の部屋」という生活感が拭えません。
お客様が求めているのは、日常から解放される「特別な時間」です。和の要素と、サロンとしての機能性や非日常感を上手に融合させるインテリアコーディネートが不可欠です。例えば、竹や和紙といった自然素材を小物に取り入れたり、心を落ち着かせるアースカラーで統一したりすることで、和室の良さを活かしながら、洗練された癒しの空間を演出できます。
畳への対策とインテリアコーディネートはセットで考えることで失敗を防ぎます
「畳の対策」と「インテリアコーディネート」は、決して別々のタスクではありません。これらを最初から一つのプロジェクトとして計画することが、後悔しないサロン作りの秘訣です。
例えば、「畳の保護のために」と安易にカラフルなジョイントマットを敷いてしまうと、後から揃えたいと思っていたシックな和モダン家具との相性が悪く、ちぐはぐな印象になってしまいます。保護材選びの段階から、完成後のサロンのイメージを具体的に描き、そのコンセプトに合った色や素材を選ぶことが大切です。そうすることで、機能性とデザイン性が見事に両立した、完成度の高い空間が生まれます。
これで安心!和室の畳にベッドを置くための具体的な対策ステップを解説します
多くの方が最も懸念される、畳の上にエステベッドを設置する方法について、具体的な3つのステップとおすすめのアイテムをご紹介します。この手順さえ踏めば、大切な畳をへこみや傷、そして見えない敵である湿気から確実に守り、安全で衛生的な施術環境を整えることができます。
誰でも簡単にできる対策なので、ぜひこの通りに実践してみてください。
畳保護の3ステップ
- ステップ1:畳とベッドの間に敷く「保護材」を選定する
- ステップ2:ベッドの脚にかかる「圧力」を分散させる
- ステップ3:「湿気やカビ」から畳を守る衛生対策を行う
ステップ1として畳とベッドの間に敷く保護材を選定する具体的な方法
まずは、ベッドの脚やキャスターが直接畳に触れて、へこみや傷を作るのを防ぐため、畳全体をカバーする保護材を敷きましょう。選択肢はいくつかあり、それぞれに特徴があります。
最も手軽で人気なのが、賃貸物件でも施工可能な「ウッドカーペット」です。敷くだけで和室がフローリング調になり、掃除も楽になります。よりクッション性を重視するなら、厚手の「ジョイントマット」や、デザイン性の高い「タイルカーペット」もおすすめです。これらはホームセンターのカインズやニトリ、または楽天市場などで、部屋のサイズや目指すサロンのイメージに合わせて選べます。
ステップ2としてベッドの脚部分にかかる圧力を分散させるための対策
保護材を敷いただけでは、ベッドの脚が集中する一点に重さがかかり、時間をかけてゆっくりと保護材ごと下の畳までへこませてしまう可能性があります。そこで、ベッドの脚の下に、さらにワンクッション加えることで、点にかかる圧力を面に分散させましょう。
ホームセンターで手に入る「家具用の敷板」や厚手の「ゴムマット」が最適です。より手軽な方法としては、100円ショップのダイソーやセリアなどで手に入る耐震ジェルマットも、衝撃吸収と圧力分散に効果的です。特にキャスター付きのベッドの場合は、移動時に畳を引きずって傷つけないよう、キャスター受け皿の使用は必須です。
ステップ3として湿気やカビから畳を守るための衛生的な対策方法
畳の素材であるい草は、呼吸するように湿気を吸ったり吐いたりする性質があります。ベッドのような大きな家具を置きっぱなしにすると、ベッド下の空気が滞留し、湿気がこもってカビやダニの温床になりがちです。
この対策として、ベッドと保護材の間に「除湿シート」や、空気の通り道を作る「すのこ」を敷くことを強くおすすめします。特に、布団用の備長炭入り除湿シートは消臭効果も期待でき、衛生的な環境を保つのに役立ちます。また、月に一度はベッドを少し動かして、畳や保護材の裏側に風を通すように心がけることが、長期的に見て非常に重要なカビ対策となります。
和室の魅力を最大限に引き出すエステサロンインテリアコーディネートの基本
畳の対策が完了したら、次はいよいよ空間全体のコーディネートです。ただ機能的なだけでなく、お客様が「わぁ、素敵!」と感動してくれるような、魅力的なサロンを作るための基本的な考え方と、全ての土台となるコンセプト設定の重要性について解説します。
最初にサロンのコンセプトとなる和モダンスタイルやアジアンリゾート風などを決めましょう
まずは、あなたのサロンがどのような雰囲気でお客様をお迎えしたいか、具体的なコンセプト、つまり「テーマ」を一つに絞りましょう。コンセプトは、今後の家具や小物選びの「羅針盤」となり、判断に迷ったときの道しるべになってくれます。
- 和モダン:日本の伝統美に現代的なデザインを融合させた、シンプルで洗練されたスタイル。直線的な家具や、白・黒・グレーといった無彩色に木の色を合わせるのが基本です。
- アジアンリゾート風:バリ島やタイのスパのような、開放的で癒やしに満ちたスタイル。ラタンやウォーターヒヤシンスといった自然素材の家具、観葉植物、ドレープの美しい布などが特徴です。
- シノワズリ:18世紀ヨーロッパで流行した中国趣味の美術様式を取り入れた、エキゾチックで優雅なスタイル。中国格子や陶磁器、深紅や翡翠色といったアクセントカラーが空間を彩ります。
生活感を隠すための収納計画とお客様の動きやすさを考慮した家具配置
エステサロンでは、タオル、ガウン、化粧品、掃除道具など、多くの備品が必要になります。これらがお客様の目に入ると、一気に生活感が出てしまい、非日常的な空間の魅力が半減してしまいます。
襖や押入れを最大限に活用するのはもちろん、サロンのコンセプトに合った「ラタン製の蓋付きバスケット」や「木製のキャビネット」などを用意し、備品を美しく隠す収納を計画しましょう。また、お客様が入口からベッドまでスムーズに移動できるか(お客様動線)、施術者がベッド周りをストレスなく動きやすいか(施術者動線)など、人の動きを意識した家具配置も非常に重要です。
障子や襖を活かした光の取り入れ方とプライバシー確保のバランス
和室の障子は、直射日光を和らげ、室内に柔らかな光を拡散させてくれる、天然の照明装置のような優れた建具です。この自然光を活かすことで、日中は照明に頼らずとも心地よい明るさを保てます。
一方で、お客様のプライバシーは絶対に守らなければなりません。外からの視線が気になる場合は、障子の内側に外から中が見えにくい「遮像レースカーテン」をプラスしたり、インテリアに合わせて「バンブー(竹)製のブラインド」や和紙のような質感の「プリーツスクリーン」を取り付けるのがおすすめです。これにより、光をコントロールしながらも、お客様の安心感を確保できます。
癒し空間を演出する和室エステサロンのカラーコーディネート術
色は、人の心理に大きな影響を与え、空間の印象を決定づける重要な要素です。リラックス効果の高い色を効果的に使うことで、和室をより一層、心と体がほどけていくような癒しの空間へと昇華させることができます。ここでは、エステサロンに最適なカラーコーディネートの具体的な方法をご紹介します。
ベースカラーは畳の色に近いアースカラーでまとめて統一感を出すコーディネート
空間の大部分(約70%)を占める壁や床、天井の「ベースカラー」は、畳の緑やい草の色、土壁のベージュといった、自然界にある色「アースカラー」でまとめると、落ち着きと統一感が生まれます。
賃貸などで壁紙を張り替えるのが難しい場合は、生成り色や薄いベージュの大きな布をタペストリーのように壁に飾るだけでも、空間の印象を大きく変えることができます。ウッドカーペットを敷く場合も、ナチュラルな木目調や、落ち着いたブラウン系を選ぶと、他のインテリアと調和しやすくなります。
アクセントカラーにリラックス効果の高い色を取り入れて非日常感を演出する
空間全体がぼんやりとした印象にならないよう、クッションやタオル、アートパネルといった小物で、空間の5%~10%程度の「アクセントカラー」を取り入れましょう。これにより、プロがデザインしたようなメリハリが生まれます。
リラックス効果が高いとされるラベンダー色(鎮静作用)、深い森を思わせるダークグリーン(安心感)、海の静けさを感じさせるネイビーブルー(精神の安定)などがおすすめです。これらの色を少量加えるだけで、空間がぐっと引き締まり、非日常的で洗練された雰囲気を演出することができます。
高級感をプラスするゴールドやシルバーの差し色を使ったコーディネートテクニック
さらにワンランク上の上質さや高級感を演出したい場合は、ゴールドやシルバーのメタリックなアイテムを少しだけ取り入れてみましょう。光を反射して上品な輝きを放つ差し色は、空間に特別な華やぎを与えてくれます。
例えば、写真立てのフレームをゴールドにしたり、小物を置くトレーをシルバーにしたり、フラワーベースに真鍮素材のものを選ぶだけで、空間にエレガントな印象が加わります。ただし、使いすぎると派手で落ち着かない印象になりがちなので、あくまで「秘伝のスパイス」として、全体の1割未満に抑えるのがおしゃれに見せるコツです。
お客様がリラックスできる和室エステサロンの照明コーディネートテクニック
照明は、空間の雰囲気を劇的に変える力を持つ、インテリアの魔法使いです。特にエステサロンでは、お客様が心からリラックスできるよう、まぶしすぎず、温かみのある光の演出が求められます。和室に合う照明器具の選び方と、その効果的な使い方について解説します。
直接的な光を避け壁や天井に光を当てる間接照明をメインにするコーディネート
リラックス空間を作る最大の秘訣は、天井に付いている蛍光灯のような、脳を覚醒させてしまう直接的な強い光を避けることです。代わりに、壁や天井に光を当てて、その反射光でふんわりと部屋全体を照らす「間接照明」をメインに使いましょう。
例えば、背の高いフロアスタンドを部屋の隅に置き、天井に向かって光を当てるだけで、空間に奥行きとホテルライクな落ち着きが生まれます。何よりも重要なのは、お客様が仰向けになった際に、光源が直接目に入らないように配置することです。まぶしい光はリラクゼーションの妨げになるため、細心の注意を払いましょう。
和紙や竹など自然素材を使った照明器具で和のテイストを強調する
照明器具の素材にもこだわることで、空間のコンセプトはより強固になります。和室には、世界的な彫刻家イサム・ノグチが岐阜提灯の技術を活かしてデザインした「AKARI」シリーズのような、和紙を使ったペンダントライトやテーブルランプが非常によく合います。
和紙を透過した光は驚くほど柔らかく、空間全体を優しい光で包み込んでくれます。他にも、竹や白木といった、元々和室に使われている自然素材のデザインの照明も、和の雰囲気を高めてくれるので、インテリアショップのIDEE(イデー)や、オンラインストアで探してみるのがおすすめです。照明自体が美しいオブジェになるような一品を見つけましょう。
手元を照らす機能的な照明と空間を演出する装飾的な照明の使い分け
一つの部屋に複数の照明を配置し、シーンに合わせて使い分ける「一室多灯」という考え方を取り入れると、空間はさらにプロフェッショナルな印象になります。
例えば、カウンセリングを行うテーブルの上には、手元の資料がしっかり見えるように小さな「デスクライト」を置く(機能的な光)。一方で、床の間や飾り棚には、小さな「スポットライト」でオブジェや花を照らし、お客様の視線を集めるポイントを作る(装飾的な光)。このように、部屋全体を照らす光、手元を照らす光、飾りを照らす光というように、目的別に光を使い分けることで、機能的かつ洗練された空間を演出できます。
和室エステサロンの雰囲気を決める家具選びとコーディネートのポイント
エステベッド以外の家具も、サロンのコンセプトを実現し、お客様の満足度を高めるための重要なパーツです。ここでは、和室の雰囲気を壊さず、むしろその魅力を高めてくれるような家具の選び方と、おしゃれに見せるコーディネートのコツをご紹介します。
カウンセリング用のテーブルや椅子は背の低いデザインを選ぶと空間が広く見える
和室に洋家具を置く場合、高さのあるものを選ぶと圧迫感が出てしまいがちです。これは、床に座ることを基本としてきた日本の住空間では、目線が低く設定されているためです。
カウンセリングに使うテーブルや椅子は、できるだけ背の低い「ロータイプ」のものを選びましょう。目線が低くなることで、天井が高く感じられ、空間全体が広く、すっきりとした印象になります。素材は、温かみのある木製や、アジアンテイストにも合う軽やかな印象のラタン(籐)素材などが和室によく馴染みます。
お客様の荷物や着替えを置くための専用スペースと家具の用意
お客様が快適に過ごせるよう、手荷物や脱いだ服を置くための専用スペースを用意することは、おもてなしの基本です。大切なバッグや上着を床に直接置くのは、誰しも少し抵抗があるものです。
コンセプトに合わせて、アンティーク調の「スツール」や「ベンチ」を用意したり、上品な「ラタン製バスケット」を置いたりするのも素敵です。コートなどがある場合は、シンプルなコートハンガーを一つ用意しておくと、より丁寧な印象を与えます。お客様の私物を大切に扱う姿勢が、サロンへの信頼に繋がります。
施術ワゴンや収納家具はベッドの色や素材と合わせて統一感を出すコーディネート
施術に使う化粧品やタオルを置くワゴンや、備品を収納するキャビネットは、バラバラなデザインのものを選ぶと、途端に雑然とした印象を与えてしまいます。空間にまとまりを生むコツは、「トーン(色調)」を合わせることです。
例えば、エステベッドがダークブラウンの木目調であれば、ワゴンも同じような色の木製のものを選ぶと良いでしょう。細部まで色や素材を統一することが、「神は細部に宿る」という言葉通り、洗練された空間作りの鍵となります。無印良品の「木製シェルフ」や、IKEA(イケア)のシンプルなワゴンなどは、様々なインテリアに合わせやすくおすすめです。
和室エステサロンの個性を出すインテリア雑貨とコーディネートのアイデア
空間の大きな印象が決まったら、次はインテリア雑貨であなただけの個性をプラスし、空間に魂を吹き込んでいきましょう。小さなアイテム一つで、サロンのこだわりや世界観を雄弁に物語ることができます。コストを抑えながらも、ぐっとお洒落に見せるためのアイデアをご紹介します。
壁の余白にはアートパネルやファブリックパネルを飾ってアクセントにする
ぽっかりと空いた広い壁が寂しく感じる場合は、「アートパネル」や布を使った「ファブリックパネル」を飾ってみましょう。大きなものを一つ飾るだけで、空間の主役となり、お客様の視線を引きつけるフォーカルポイントになります。
和モダンなテイストなら、水墨画風のデザインや、組子のような幾何学模様のもの。アジアンリゾート風なら、蓮の花やモンステラなど植物をモチーフにしたパネルが良いでしょう。オンラインストアのART-LAB(アートラボ)などでは、豊富なデザインからあなたのサロンにぴったりの一枚が見つかるはずです。
観葉植物や生花を飾って生命感と癒やしの効果をプラスする
空間に生命感と瑞々しさをもたらしてくれる観葉植物は、癒しのサロンに欠かせないアイテムです。植物は見た目の美しさだけでなく、空気清浄効果や湿度調整効果も期待できます。
和室には、シュッとした葉が美しい「サンスベリア」や、涼しげな印象の「シダ植物」、小さな「苔玉」などがよく合います。また、床の間やテーブルの上に季節の一輪挿しを飾るだけでも、空間が華やぎ、おもてなしの心が伝わります。お手入れが簡単なフェイクグリーンも、最近では本物そっくりの高品質なものが多く、Francfranc(フランフラン)などで手に入ります。
鏡を効果的に使って空間を広く見せるプロのコーディネートテクニック
鏡は、空間を広く、明るく見せる効果がある魔法のアイテムです。特にコンパクトな和室をサロンにする場合、このテクニックは非常に有効です。
壁に大きめの姿見を立てかけるように置くと、部屋に奥行きが生まれ、開放感がアップします。特に、窓の向かい側の壁に設置すると、外の光や景色を反射して、部屋全体が明るく、より広く感じられます。フレームのデザインにもこだわり、サロンのコンセプトに合ったものを選びましょう。アンティーク調のゴールドフレームや、シンプルな木製フレームなどが人気です。
五感で癒す和室エステサロンのための香りや音のコーディネート
真のリラクゼーションは、視覚だけでなく、嗅覚や聴覚といった五感全体で感じるものです。お客様の記憶に深く刻まれる「忘れられない体験」を提供するために、インテリアコーディネートの仕上げとして、香りや音の演出にもこだわってみましょう。
アロマディフューザーを使ったリラックス効果の高い香りの演出方法
サロンのドアを開けた瞬間に、ふわりと良い香りが漂ってきたら、お客様の期待感は一気に高まります。香りは脳に直接働きかけ、瞬時にリラックスモードへと切り替える力を持っています。
火を使わず安全な「超音波式アロマディフューザー」がおすすめです。無印良品のアロマディフューザーはデザインもシンプルで人気があります。香りには、リラックス効果の高いラベンダーや、和の空間に合うヒノキ、サンダルウッド(白檀)、爽やかな柚子などを選び、お客様の好みやその日の体調に合わせて使い分けるのも上級者のおもてなしです。
お客様の心を落ち着かせるヒーリングミュージックや自然音の選び方
施術中は、静かなヒーリングミュージックや、川のせせらぎ、鳥のさえずりといった自然音を、かすかに聞こえる程度の小さな音量で流しましょう。これにより、外の生活音をマスキングし、お客様はより深いリラックス状態に入ることができます。
スマートスピーカーを使えば、「リラックスできる音楽をかけて」と声をかけるだけで簡単に音楽を再生できます。音楽配信サービスのSpotifyやApple Musicなどには、「サロン用BGM」や「瞑想」といった長時間再生用のプレイリストも豊富に用意されているので、ぜひ活用しましょう。
おしぼりやタオルにも香り付けをして特別なおもてなしを演出する
おもてなしの心を細部にまで宿らせることで、他店との大きな差別化が図れます。例えば、お客様に最初にお出しする温かいおしぼりに、アロマスプレーをワンプッシュするだけで、お客様は「大切にされている」と感じ、心を開いてくれます。
また、施術に使うタオル類を洗濯する際に、香りの良い柔軟剤を使ったり、保管する際にハーブを入れたサシェ(香り袋)を一緒に入れておくだけで、細やかな気遣いが伝わります。こうした小さな感動の積み重ねが、お客様の満足度を飛躍的に向上させるのです。
和室エステサロンのインテリアコーディネートで失敗しないための注意点
最後に、これから和室をエステサロンにしようと考えている方が陥りがちな失敗例と、それを避けるための「転ばぬ先の杖」をお伝えします。事前にこれらのポイントを知っておくことで、無駄な出費や後悔を防ぎ、スムーズに理想のサロン作りを進めることができます。
失敗しないための3つの注意点
- 様々なテイストを混ぜすぎて「統一感のない空間」にしない
- 「生活感」が出てしまう日用品や配線を上手に隠す
- 「掃除のしやすさ」を考え、常に衛生的な環境を保つ
様々なテイストを混ぜすぎて統一感のない空間にしないための注意
「和モダンも素敵だし、アジアンリゾートの癒やしも取り入れたい…」と、色々なテイストの家具や小物を無計画に置いてしまうと、結果的に「テイストの渋滞」が起きた、雑然として落ち着かない空間になってしまいます。
これを防ぐためには、最初に決めた「コンセプト」から絶対にブレないことが何よりも重要です。新しいアイテムを購入する際は、必ず「これはサロンのコンセプトに合っているか?」と自問自答する癖をつけましょう。また、空間に使う色を3色程度に絞ることも、統一感を出すための簡単なテクニックです。
生活感が出てしまう日用品や電化製品の配線を上手に隠す方法
スマートフォンの充電ケーブルや、美顔器のコード、サーキュレーターの配線などがごちゃごちゃと見えていると、せっかく作り上げた非日常的な空間が台無しになってしまいます。お客様は意外と細かいところまで見ています。
ケーブル類は、ニトリや100円ショップで手に入る「ケーブルボックス」にまとめたり、「ケーブルチューブ」で束ねたりして、極力お客様の目から隠しましょう。家具の裏やカーペットの下を這わせるなど、配線のルートを計画段階から工夫することも大切です。
掃除のしやすさや衛生管理を怠らないためのインテリア選びの重要性
デザイン性ばかりを重視して、掃除がしにくいインテリアを選んでしまうと、日々のメンテナンスが負担になり、結果的に衛生状態を保てなくなる恐れがあります。
例えば、複雑な装飾のある置物や、毛足の長いラグなどは、ホコリが溜まりやすく衛生的ではありません。家具は床から少し浮いている脚付きのデザインを選ぶと、掃除機がかけやすく清潔に保てます。常にクリーンな環境を提供できるよう、デザイン性とメンテナンス性の両立を、家具や雑貨選びの基準に加えましょう。
まとめ あなただけの和室エステサロンを実現するためのインテリアコーディネート最終チェック
ここまで、和室を唯一無二のエステサロンに変えるための具体的なインテリアコーディネート術を、手順を追って詳しく解説してきました。最後に、この記事の要点を振り返り、あなたが理想のサロンを実現するための最終チェックリストとしてご活用ください。
最も重要な畳への対策は万全か最終的に確認しましょう
まずは、サロンの土台となる畳の保護対策が完璧か、もう一度確認してください。お客様の安全と、あなたの大切な資産である家を守るための、最も基本的なチェックです。
- ベッドの重さから畳を守るための保護材は敷かれていますか?
- 脚からの圧力を分散させるための敷板やマットは設置しましたか?
- 湿気やカビを防ぐための除湿・換気対策は万全ですか?
この土台がしっかりしていれば、安心して上質な空間づくりに集中できます。
サロンのコンセプトは明確でインテリアに統一感があるか確認しましょう
あなたのサロンは、お客様にどのような価値を提供しますか?コンセプトが明確であれば、空間は力強いメッセージを発し始めます。
- あなたのサロンのコンセプトは、一言で説明できますか?
- そのコンセプトに基づいて、色、素材、家具のテイストに統一感はありますか?
- お客様がドアを開けた瞬間に、その世界観に引き込まれるような魅力がありますか?
目指す方向性が一つに定まっていることで、空間の魅力は何倍にも増します。
お客様目線でリラックスできる空間になっているか隅々までチェックしましょう
最後に、お客様の気持ちになって、サロンの入口からベッド、そして帰り支度をするスペースまでを実際に体験してみましょう。おもてなしの心は細部に宿ります。
動線はスムーズですか。不要なものが目に入りませんか。照明は眩しくありませんか。香りは心地よいですか。この最終チェックが、お客様の満足度を決定づけます。お客様が心から安心して、特別な時間を過ごせる空間になっているか、愛情を持って隅々までチェックし、あなただけの最高の和室エステサロンを完成させてください。
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