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【完全ガイド】サロンの床材選び方講座!掃除のしやすさで選ぶクッションフロアとタイルの具体例

これからサロンを開業される方、あるいはリニューアルを考えている方にとって、お店の印象を大きく左右する内装選びは非常に重要です。

特に、床材はお店のコンセプトを表現するだけでなく、日々の運営、特に「掃除のしやすさ」に直結する大切な要素です。しかし、クッションフロアやフロアタイルなど種類が多く、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。

この記事では、専門用語を極力使わず、初心者の方でも安心して最適な床材を選べるように、掃除のしやすさを軸にしたクッションフロアとタイルの選び方を、具体的な商品例や手順を交えながら徹底的に解説します。あなたの理想のサロン作りを、床材選びからサポートします。

目次

サロンの床材選びは掃除のしやすさとデザイン性でフロアタイルが最もおすすめという結論

早速結論からお伝えします。もしあなたがサロンの床材選びで迷っているなら、まず第一候補として検討すべきなのは「フロアタイル」です。

もちろん、クッションフロアにも優れた点はたくさんありますが、サロン特有の環境や、お客様に与えたい印象、そして日々のメンテナンス性を総合的に判断すると、フロアタイルに軍配が上がることが多いのです。この章では、なぜフロアタイルがおすすめなのか、その理由を具体的に解説します。

サロン運営で最も重要な掃除のしやすさを高いレベルで実現できる床材であること

サロン、特に美容室やネイルサロンでは、髪の毛や細かなゴミ、そしてカラー剤やアセトンといった薬品が床に落ちることが日常茶飯事です。

フロアタイルは表面が硬く、非常に滑らかなため、ホウキや掃除機で髪の毛を簡単に集めることができます。また、耐薬品性に優れた製品が多く、例えばサンゲツから販売されている「フロアタイル」シリーズの中には、薬品に強いコーティングが施されているものもあります。万が一カラー剤をこぼしてしまっても、すぐに拭き取ればシミになりにくく、美しい状態を長く保つことができるのです。この「後片付けの速さ」は、忙しいサロンワークの中で非常に大きなメリットとなります。

クッションフロアにはない高級感とデザインの豊富さで理想の空間を演出できること

お客様がサロンのドアを開けた瞬間に感じる「素敵なお店」という印象は、床のデザインに大きく影響されます。

フロアタイルは、本物の木材や石を忠実に再現した製品で、そのデザインバリエーションが非常に豊富です。例えば、リリカラの「エルワイタイル」シリーズでは、温かみのあるウッドデザインからモダンなストーンデザインまで、あらゆるサロンのコンセプトに対応できるラインナップが揃っています。一枚一枚パーツを組み合わせて張っていくため、継ぎ目が自然で、クッションフロアのようなシート材特有のビニール感を抑えられるのも大きな特徴です。お客様に非日常的な空間とリラックスを提供したいサロンにとって、このデザイン性の高さは強力な武器になります。

傷やへこみに強く長期的な視点で見た場合のコストパフォーマンスが高いこと

サロンでは、お客様が座る椅子や施術用のワゴンなど、重い機材を頻繁に動かします。

安価なクッションフロアの場合、こうした機材の重みでへこみ跡がついてしまったり、キャスターの動きで表面が削れてしまったりすることがあります。その点、硬い素材(塩化ビニル)でできているフロアタイルは耐久性が非常に高く、傷やへこみに強いのが魅力です。初期費用はクッションフロアよりも高くなる傾向にありますが、一度施工すれば10年以上美しい状態を保てることも珍しくありません。頻繁に張り替える手間やコストを考えれば、結果的にフロアタイルの方が経済的であると言えるでしょう。長期的なサロン運営を見据えた賢い投資として、フロアタイルは非常に優れた選択肢なのです。

サロンの床材選びで重要視される掃除のしやすさという視点を徹底的に解説します

サロンの床材を選ぶ上で、なぜこれほどまでに「掃除のしやすさ」が重要視されるのでしょうか。

それは、サロンが単にサービスを提供する場所ではなく、お客様に清潔で快適な空間を提供する場所でもあるからです。髪の毛一本、わずかな汚れがお店の印象を大きく損なうこともあります。ここでは、掃除のしやすさという観点から、各床材の特徴をさらに深く掘り下げていきます。

美容室や理容室で毎日発生する髪の毛の掃除のしやすさについて

美容室や理容室にとって、床に落ちた髪の毛の処理は一日のうちで何度も発生する重要な業務です。この点で、床材の表面の質感が大きく影響します。

例えば、表面に細かな凹凸が多いクッションフロアの場合、静電気で髪の毛が張り付いてしまい、ホウキで掃いても取り残しが出やすくなります。一方、フロアタイルや塩ビタイルは表面がツルッとしているため、髪の毛が絡みつくことなく、さっと集めることができます。ダイソンのようなコードレス掃除機を使えば、あっという間に床をきれいにすることができ、お客様を待たせることなく、常に清潔な環境を維持できます。

エステサロンやリラクゼーションサロンのオイル汚れの掃除のしやすさについて

エステサロンやリラクゼーションサロンでは、施術でアロマオイルやマッサージオイルを頻繁に使用します。こうした油性の汚れは、床材によっては染み込んでしまい、ベタつきや黒ずみの原因となります。

特に、安価なクッションフロアは表面のコーティングが弱い場合があり、オイルが染み込みやすい傾向にあります。その点、フロアタイル、特に表面加工が強化された「耐汚染性」を謳う製品、例えば東リの「ロイヤルウッド」や「ロイヤルストーン」シリーズなどは、油汚れに強いです。オイルをこぼしても、中性洗剤を含ませた布で拭くだけで簡単に汚れを落とすことができ、サロンの清潔感を損ないません。

ネイルサロンで使うアセトンやジェルクレンザーなどの薬品に対する掃除のしやすさ

ネイルサロンでは、ジェルネイルをオフするためのアセトンや、未硬化ジェルを拭き取るためのクレンザーといった化学薬品を使用する機会が多くあります。

これらの薬品は非常に強力で、床材の表面を溶かしてしまったり、変色させてしまったりする可能性があります。床材を選ぶ際には、必ず「耐薬品性」を確認することが重要です。多くのフロアタイルメーカーのカタログには、耐薬品性の試験結果が掲載されています。サンゲツ東リといった大手メーカーのフロアタイルは、こうしたサロン特有の環境を想定して開発されているものが多く、薬品がこぼれても慌てずに拭き取ればダメージを最小限に抑えられます。クッションフロアを選ぶ場合でも、店舗用の「重歩行用」と記載された、表面が強化されたタイプを選ぶようにしましょう。

安価で施工も簡単なクッションフロアの選び方とサロンでの具体的な活用事例を紹介

フロアタイルがおすすめと述べましたが、もちろんクッションフロアにも魅力的な点がたくさんあります。

特に、開業時の初期費用を抑えたい場合や、足腰への負担を軽減したい場合には、クッションフロアが最適な選択となることもあります。ここでは、クッションフロアのメリットとデメリットを理解し、賢く選ぶための方法と、サロンでの活用事例を見ていきましょう。

クッションフロアの最大のメリットである価格の安さと施工の手軽さについて

クッションフロアの最大の魅力は、なんといってもその価格の安さです。フロアタイルと比較すると、材料費だけで1平方メートルあたり数千円の差が出ることもあり、広い面積を施工するサロンにとっては大きなコスト削減につながります。

例えば、一般的な住宅用のクッションフロアであれば、サンゲツの「Hフロア」シリーズなどがホームセンターでも手軽に購入でき、非常にリーズナブルです。また、大きなシート状になっているため、施工時間が短く済むのもメリットです。専門業者に依頼した場合の工賃も、フロアタイルに比べて安く抑えられる傾向があります。

クッションフロアが持つデメリットである耐久性の低さと安っぽさについて

価格の安さは魅力的ですが、クッションフロアにはデメリットも存在します。その一つが耐久性です。

柔らかい素材のため、ワゴンのキャスターや椅子の脚などで傷がつきやすく、重いものを長時間置くとへこみ跡が残ってしまいます。また、シート状の素材のため、デザインによってはどうしてもビニール感が拭えず、「安っぽく」見えてしまうことがあります。高級感を重視するサロンのコンセプトとは相性が悪い場合もあるため、デザイン選びは慎重に行う必要があります。

サロンのコンセプトに合わせて安っぽく見せないクッションフロアの選び方

クッションフロアでも、選び方次第で安っぽさを感じさせない空間作りは可能です。

ポイントは、「店舗用」または「重歩行用」と記載された、厚みのある丈夫な製品を選ぶことです。これらは住宅用よりも価格は上がりますが、耐久性が高く、デザインもリアルなものが豊富です。例えば、東リの「CFシート-P」シリーズには、本物の古材のようなヴィンテージ感のある木目調や、スタイリッシュなモルタル調など、デザイン性の高いものが揃っています。色味を抑えたダークトーンやグレイッシュなカラーを選ぶと、空間が引き締まり、高級感を演出しやすくなります。

キッズスペース併設サロンなどクッション性を活かした具体的な活用事例

クッションフロアの「クッション性」は、特定の状況下で大きなメリットになります。例えば、キッズスペースを併設している美容室や、長時間立ち仕事をするスタッフの足腰への負担を軽減したい場合です。

柔らかい床は、万が一お子様が転んだ際の衝撃を和らげてくれます。また、美容師やセラピストは一日中立ちっぱなしのことも多いため、硬い床に比べて足や腰への負担が少ないクッションフロアは、スタッフの労働環境を改善するという視点からも有効な選択肢と言えるでしょう。

デザイン性が高く本物志向のフロアタイルの選び方とサロンでの高級感を演出する事例

サロンのブランドイメージを確立し、お客様に特別な時間を提供したいと考えるなら、フロアタイルのデザイン性の高さは非常に魅力的です。

本物の木や石と見紛うほどの質感は、空間に深みと高級感を与えてくれます。この章では、フロアタイルのメリット・デメリットを踏まえ、あなたのサロンを格上げするフロアタイルの選び方と、具体的な演出事例をご紹介します。

フロアタイルのメリットである本物のような質感とデザインの多様性

フロアタイルの最大の強みは、そのリアルな質感とデザインの豊富さです。木目調のタイルであれば、木の表面にある凹凸「エンボス」が忠実に再現されており、光の当たり方によって美しい陰影が生まれます。

サンゲツの「WOOD」シリーズなどは、樹種や木目の風合いが非常にリアルで、ナチュラル、ヴィンテージ、モダンといった様々なテイストを表現できます。また、石目調のタイルも人気で、タジマの「マティル」シリーズに見られるような大理石や御影石を模したデザインは、ラグジュアリーで洗練された空間を演出するのに最適です。本物志向のお客様にも満足していただけるクオリティが魅力です。

フロアタイルのデメリットである価格の高さと床の硬さや冷たさについて

デザイン性に優れるフロアタイルですが、デメリットも理解しておく必要があります。まず、クッションフロアに比べて材料費・施工費ともに高価になる傾向があります。

また、素材が硬いため、物を落とした際に破損しやすかったり、音が響きやすかったりする点も挙げられます。さらに、冬場は足元がひんやりと感じられることがあります。特に、素足で施術を受けるリラクゼーションサロンなどでは、お客様が寒さを感じないような配慮が必要になるかもしれません。床暖房に対応したフロアタイルもありますが、さらにコストがかかるため、予算との兼ね合いが重要になります。

サロンのコンセプトに合わせた木目調や石目調フロアタイルの選び方

フロアタイルを選ぶ際は、まずサロンのコンセプトを明確にすることが大切です。

例えば、「温かみのあるナチュラルな空間」を目指すなら、オークやアッシュといった明るい色の木目調タイルが良いでしょう。リリカラの「エルワイタイル」には、優しい色合いの木目調が豊富に揃っています。逆に「都会的でモダンな高級サロン」を演出したいなら、濃い色のウォールナット調の木目や、光沢のあるブラック系の石目調タイルが効果的です。サンゲツの「STONE」シリーズの磨き上げられたような質感のタイルは、非日常的な空間作りに貢献します。

ヘリンボーン張りなど貼り方を工夫した個性的なサロン空間の演出事例

フロアタイルは、一枚一枚が独立したパーツであるため、貼り方によっても空間の印象を大きく変えることができます。

通常の長方形タイルを同じ向きに並べるだけでなく、例えば、斜めに張る「斜め張り」や、V字型に組み合わせる「ヘリンボーン張り」にすると、床のデザイン性が一気に高まります。特にヘリンボーン張りは、クラシックで上品な印象を与え、カフェやアパレルショップのようなお洒落な雰囲気を演出したいサロンにぴったりです。施工には手間がかかるため工賃は上がりますが、他店との差別化を図るための投資として検討する価値は十分にあります。

あなたのサロンの業種に最適化された床材の選び方とそれぞれの重要なポイントを解説

サロンと一口に言っても、美容室、エステ、ネイルなど、その業種によって求められる機能は異なります。

あるサロンにとっては最適な床材が、別のサロンにとっては不向きな場合もあります。ここでは、代表的なサロンの業種別に、どのような床材を選べば失敗しないのか、その選び方のポイントを具体的に解説していきます。

美容室や理容室向けの床材選びで重要な耐薬品性と髪の毛の掃除のしやすさ

美容室や理容室では、カラー剤やパーマ液といった薬品が床に付着する可能性があります。そのため、床材には高い「耐薬品性」が求められます。

フロアタイルは、この点で非常に優れています。また、日々大量に発生する髪の毛を効率よく掃除できることも重要です。表面が滑らかで、静電気が起きにくいフロアタイルや、店舗用の硬質なクッションフロアが適しています。デザイン面では、髪の毛が目立ちにくい、少し濃いめの木目調や、細かな柄の入った石目調のデザインを選ぶと、常に清潔な印象を保ちやすくなります。

エステサロン向けの床材選びで重要なリラックス効果と耐油性

エステサロンは、お客様に心身ともにリラックスしていただく空間です。そのため、床材には視覚的な癒やし効果が求められます。

温かみのある木目調や、柔らかい色合いのテキスタイル調の床材がおすすめです。フロアタイルであれば、足触りの優しい木目調デザイン、クッションフロアであれば、少し厚手で歩行感がソフトなタイプが良いでしょう。また、マッサージオイルを使用するため「耐油性」も必須です。オイルが染み込みにくい、表面コーティングがしっかりしたフロアタイルや店舗用クッションフロアを選び、万が一こぼしてもすぐに拭き取れる体制を整えておくことが大切です。

ネイルサロン向けの床材選びで重要なデザイン性と耐薬品性

ネイルサロンは、美意識の高いお客様が多く訪れるため、空間のデザイン性が非常に重要です。流行を取り入れたお洒落な内装は、サロンの魅力の一つとなります。

デザイン性の高いフロアタイルは、こうしたニーズにぴったりです。例えば、大理石調のタイルで高級感を演出したり、個性的なパターンのタイルでアートな空間を作ったりすることができます。機能面では、アセトンやジェルリムーバーといった薬品に強い「耐薬品性」が最も重要です。フロアタイルを選ぶ際には、必ずメーカーのカタログで耐薬品性の性能を確認しましょう。

リラクゼーションサロンや整体院で重視されるべき静音性と温かみ

静かな環境が求められるリラクゼーションサロンや整体院では、「静音性」が床材選びの重要なポイントになります。

硬いフロアタイルは、スリッパの足音や物を落とした時の音が響きやすいというデメリットがあります。この場合、クッションフロアの方が適していると言えるでしょう。また、カーペットのような柔らかい質感を持つ「タイルカーペット」も有力な選択肢です。東リの「GA-100」シリーズのようなタイルカーペットは、優れた吸音効果と保温性を持ち、一枚単位で交換できるためメンテナンス性も高いです。お客様がリラックスできる、静かで温かみのある空間作りに貢献します。

サロンの床材選びで絶対に後悔しないための具体的な実行ステップと注意点

理想の床材を見つけても、実際に理想の空間を実現するためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。

コンセプトの決定から業者選びまで、計画的に進めることで、予算オーバーや「イメージと違った」という失敗を防ぐことができます。ここでは、サロンの床材選びで後悔しないための具体的な4つのステップを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

  1. ステップ1:あなたのサロンが目指すコンセプトを明確にすること
    床材選びは、内装デザインの一部です。まず最初に行うべきは、「お客様にどんな気持ちになってほしいか」「どんな空間を提供したいか」というサロンのコンセプトを明確にすることです。例えば、「都会の隠れ家的な高級サロン」なのか、「自然光が差し込むナチュラルでオーガニックなサロン」なのかで、選ぶべき床材の色や質感は全く異なります。コンセプトを言語化し、参考になるお店の写真をいくつか集めておくことで、その後の床材選びのブレがなくなり、スムーズに進めることができます。
  2. ステップ2:床材の材料費と施工費を含めた総予算を事前に決めること
    床材にかかる費用は、材料費だけではありません。既存の床を剥がす費用、下地を調整する費用、そして新しい床材を張る施工費(工賃)が必要です。これらをトータルで考え、いくらまでなら出せるのかという総予算をあらかじめ決めておきましょう。一般的に、クッションフロアよりもフロアタイルの方が、材料費・施工費ともに高くなる傾向があります。予算を事前に決めておくことで、選択肢が絞られ、現実的なプランを立てることができます。無理のない資金計画が、サロン経営の第一歩です。
  3. ステップ3:気になる床材のサンプルを必ず取り寄せて比較検討すること
    ウェブサイトやカタログの写真だけで床材を決めてしまうのは非常に危険です。写真の色味は、お使いのモニターや印刷によって実際の色とは異なって見えますし、何より質感が分かりません。気になる床材が見つかったら、必ずメーカーからA4サイズ程度のカットサンプルを取り寄せましょう。サンゲツ東リなどの大手メーカーのウェブサイトから無料で請求できます。サンプルを実際の店舗の照明の下で見て、色や質感を比較検討することが、イメージ通りの空間を作るための最も重要なステップです。
  4. ステップ4:複数の内装業者や工務店に見積もりを依頼して比較すること
    施工を依頼する業者は、1社だけでなく、必ず複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」を取りましょう。同じ工事内容でも、業者によって見積金額は大きく異なることがあります。見積もりを依頼する際は、金額だけでなく、工事内容の詳細、使用する材料の型番、保証の有無などを細かくチェックすることが大切です。また、担当者の対応が丁寧か、サロンの施工実績が豊富かといった点も、信頼できる業者を見極めるための重要なポイントになります。

床材の色があなたのサロンの空間全体に与える印象と心理的な効果

床材の色は、壁や天井と並んで、空間の印象を決定づける大きな要素です。

色は人の心理に働きかけ、広く感じさせたり、落ち着かせたり、気分を高揚させたりする効果があります。ここでは、代表的な床の色がサロンの空間にどのような印象と心理的効果をもたらすのかを解説します。あなたの目指すサロンの雰囲気に合わせて、最適な色を選びましょう。

ホワイトや明るいベージュ系の床材がもたらす清潔感と開放的な空間効果

白や明るいベージュ系の床材は、光を反射し、空間全体を明るく、広く見せる効果があります。特に、小規模なサロンで開放感を出したい場合に非常に有効です。

また、白は「清潔」「純粋」といったイメージを連想させるため、クリーンな印象が大切なエステサロンやクリニック併設サロンなどに最適です。ただし、汚れが目立ちやすいというデメリットもあるため、こまめな掃除が苦にならないか、汚れに強い素材を選ぶなどの工夫が必要です。サンゲツのフロアタイルには、防汚性能が高いホワイト系のデザインも多数あります。

グレーやブラック系の床材が生み出す高級感とスタイリッシュでモダンな印象

グレーやブラック、あるいはダークブラウンといった暗めの色の床材は、空間に重厚感と落ち着きをもたらします。

高級ホテルやブランドショップでよく使われるように、「高級感」「モダン」「スタイリッシュ」といった印象を演出したい場合に効果的です。特に、黒い床は非日常感を演出しやすく、お客様に特別な体験を提供したいサロンにぴったりです。ただし、空間が暗く、狭く感じられる可能性もあるため、壁や天井を明るい色にしたり、照明計画を工夫したりして、バランスを取ることが重要です。

温かみのある木目調の床材が与える安心感とナチュラルな雰囲気

木目調の床材は、多くの人が自然と心地よさを感じる、最もポピュラーな選択肢の一つです。

木の色や質感は、人に「温かみ」「安心感」「リラックス」といったポジティブな感情を与えます。ナチュラルな雰囲気をコンセプトにするサロンはもちろん、モダンな内装の中に一部木目を取り入れることで、冷たい印象を和らげ、居心地の良い空間を作ることができます。東リの「ロイヤルウッド」シリーズのように、リアルな木目を再現したフロアタイルは、本物の木材のような温もりを感じさせながら、メンテナンス性に優れているため、多くのサロンで採用されています。

サロンで採用したクッションフロアやタイル床材の美しさを保つメンテナンスと掃除方法

せっかくこだわって選んだ床材も、日々の手入れを怠るとすぐに輝きを失ってしまいます。

特に、不特定多数の人が出入りするサロンでは、家庭よりも汚れやすく、適切なメンテナンスが不可欠です。ここでは、床材の美しさを長く保つための日常的な掃除のコツと、特殊な汚れへの対処法を具体的にご紹介します。

日々の掃除のしやすさを維持するための基本的な掃き掃除と拭き掃除のコツ

サロンの床掃除の基本は、毎日の「掃き掃除」と定期的な「拭き掃除」です。

掃き掃除では、髪の毛やホコリを効率的に集めるために、毛が柔らかく、静電気が起きにくいホウキや、吸引力の高いコードレス掃除機が活躍します。拭き掃除は、固く絞ったモップや雑巾で行います。この時、水拭きだけで落ちない汚れがある場合は、床材用の中性洗剤を薄めて使用しましょう。アルカリ性や酸性の強い洗剤は、床材のワックスやコーティングを傷める原因になるため、使用は避けてください。

美容室のカラー剤やエステのオイルなど特殊な汚れが付着した場合の掃除方法

サロン特有の汚れには、迅速な対応が必要です。美容室でカラー剤が床に付着した場合は、乾いてしまう前にすぐに拭き取ることが鉄則です。

水拭きで落ちない場合は、エタノールや除光液を布に少量含ませて、優しく叩くように拭き取ると落ちることがあります。ただし、床材との相性を確認するため、必ず目立たない場所で試してから行ってください。エステサロンのオイル汚れは、油分を分解する中性洗剤や、専用のクリーナーを使うと効果的です。汚れを放置すると、酸化して落ちにくくなるため、その日のうちに処理することを心がけましょう。

床材を長持ちさせるためのワックスがけなど定期的なメンテナンスの選び方

床材の美観と耐久性を維持するためには、定期的なワックスがけが有効です。ワックスは、床の表面に保護膜を作り、傷や汚れが直接床材に付着するのを防いでくれます。

特に、人の出入りが多いエリアや、水・薬品を使うエリアは、ワックスが剥がれやすいため、数ヶ月に一度のメンテナンスが推奨されます。最近では、サンゲツの「ナーシングフロアV」のように、ワックスをかけなくても防汚性能が持続する「ノンワックス」仕様の床材も増えています。初期費用は高くなりますが、メンテナンスの手間とコストを大幅に削減できるため、長期的な視点で見ると非常に経済的です。

サロンの開業資金を抑えるための床材選びのポイントとDIYの可能性について

サロンの開業やリニューアルには、何かと費用がかかるものです。

内装費の中でも大きな割合を占める床材のコストは、できる限り抑えたいと考えるのが自然でしょう。ここでは、費用を抑えながらも満足度の高い床材を選ぶためのポイントと、専門業者に頼らず自分で行う「DIY」の可能性について解説します。

クッションフロアとフロアタイルの材料費と施工費用の大まかな比較

一般的に、床材の費用はクッションフロアの方が安価です。

材料費で言うと、住宅用のクッションフロアが1平方メートルあたり2,000円前後からあるのに対し、店舗用のフロアタイルは4,000円以上することが多いです。施工費についても、シートを広げて張るクッションフロアの方が、一枚ずつ接着剤で張っていくフロアタイルよりも安く済む傾向にあります。ただし、これはあくまで目安であり、選ぶ商品のグレードや施工する面積、下地の状態によって費用は大きく変動します。

限られた予算の中で理想の床材を選ぶための賢いコストコントロール術

予算を抑えつつ理想の空間に近づけるためには、費用の「かけ方」にメリハリをつけることが重要です。

例えば、お客様の目に最も触れるエントランスや施術スペースには、デザイン性の高いフロアタイルを採用し、スタッフルームやバックヤードには安価なクッションフロアを使うといった方法があります。このように、場所によって床材を使い分けることで、全体のコストを抑えながら、お店の「顔」となる部分のクオリティは高く保つことができます。

床材の施工を自分で行うDIYの難易度と事前に知っておくべき注意点

コスト削減の最終手段として、DIYを検討する方もいるでしょう。クッションフロア、特に裏面にシールが付いているタイプや、置くだけで設置できるタイプのフロアタイルは、比較的DIYの難易度が低いとされています。

例えば、「デコリカクリック」のようなはめ込み式のフロアタイルは、接着剤不要で施工できます。しかし、壁際のカットや、複雑な形の部屋の施工は、想像以上に技術が必要です。仕上がりの美しさは、プロの技術には到底及びません。少しでも歪みや隙間があると、そこからゴミが入ったり、剥がれの原因になったりするため、お客様をお迎えするサロンの床としては、リスクが高いことも理解しておく必要があります。

まとめ

ここまで、サロンの床材選びについて、掃除のしやすさを中心に、クッションフロアとタイルの特徴、選び方のステップ、具体的な商品例などを詳しく解説してきました。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返り、あなたが自信を持って最適な床材を選び、理想のサロンを実現するためのお手伝いをします。

サロン床材選びの最重要ポイント

  • 機能性とデザイン性の両立: 「掃除のしやすさ」と「コンセプトに合うデザイン」の2つの軸で考えることが成功の鍵です。
  • 床材の特性を理解する: クッションフロアの「価格・手軽さ」とフロアタイルの「デザイン性・耐久性」。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のサロンに合うものを選びましょう。
  • 実物サンプルの確認: 最終決定前には必ず実物のサンプルを取り寄せ、色や質感を自分の目で確かめることが、後悔しないための最も重要なステップです。

サロンの床材選びは掃除のしやすさとコンセプトに合うデザイン性の両立が重要であること

サロンの床材選びで失敗しないためには、「掃除のしやすさ」という機能的な側面と、「サロンのコンセプトを表現する」というデザイン的な側面、この二つのバランスを考えることが何よりも重要です。

日々の運営を楽にし、常に清潔な環境を保つための機能性。そして、お客様に「また来たい」と思っていただけるような、魅力的で居心地の良い空間を演出するデザイン性。この両方を満たす床材こそが、あなたのサロンにとって最適な選択と言えるでしょう。

クッションフロアとフロアタイルのメリットとデメリットを正しく理解して選ぶこと

クッションフロアは、価格が安く、クッション性があるというメリットがありますが、耐久性やデザイン面で妥協が必要な場合があります。

一方、フロアタイルは、デザイン性が高く、耐久性に優れるという強力なメリットがありますが、コストが高く、床が硬いというデメリットも存在します。どちらが良い・悪いということではなく、あなたのサロンの業種、コンセプト、そして最も大切にしたいことは何かを基準に、それぞれの特性を正しく理解した上で選択することが、後悔しないための鍵となります。

最終決定前には必ず実物のサンプルを取り寄せて質感と色味を確認すること

この記事で様々な床材をご紹介しましたが、最終的な判断は、必ずあなた自身の目で実物を見てから下してください。

ウェブサイトやカタログだけで判断せず、気になる床材のサンプルを複数取り寄せ、実際の店舗の光の下で比較検討する一手間を惜しまないでください。壁紙のサンプルとも合わせてみることで、空間全体の色のバランスも確認できます。この最後の確認作業が、あなたの「理想のサロン」と「現実のサロン」のイメージのズレをなくし、心から満足できる空間作りを可能にするのです。あなたのサロン作りが成功することを心から応援しています。

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