初めての白色申告、本当にお疲れ様です。
事業の売上や経費を記録する「帳簿」の付け方で、便利な会計アプリを使うべきか、それとも昔ながらの手書きで始めるべきか、心から迷っていませんか。
この記事は、そんな帳簿付け初心者のあなたが、どちらの方法が自分に合っているのかをはっきりと判断し、今日から具体的な第一歩を踏み出すための完全ガイドです。
難しい専門用語はできるだけ使わず、豊富な具体例とステップごとの丁寧な手順で、あなたの白色申告に向けた帳簿付けの悩みをスッキリ解決します。
結論から解説!白色申告初心者の帳簿付けは会計アプリが圧倒的におすすめな理由
時間もなく、何から手をつければ良いか分からず不安な初心者の方へ。
まず結論からお伝えします。もしあなたが帳簿の付け方でアプリか手書きか迷っているなら、会計アプリを選ぶことを強くおすすめします。
なぜなら、会計アプリには手書きにはない数多くのメリットがあり、あなたの確定申告作業を想像以上に劇的に楽にしてくれるからです。
帳簿付け初心者が会計アプリを使うと入力ミスや計算間違いを自動で防げるという大きな利点
手書きで帳簿をつける場合、日付や金額の記入ミス、そして電卓での計算間違いといった「うっかりミス」がどうしても発生しがちです。
しかし、会計アプリを利用すればその心配はほとんどありません。
例えば「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」といった主要なアプリは、銀行口座やクレジットカードを連携させると、取引データを自動で取得してくれます。
これにより、金額の打ち間違いがなくなり、日々の取引記録にかかる手間が大幅に削減されます。
さらに、売上や経費の集計もすべて自動で行われるため、計算ミスはゼロになります。これは帳簿付け初心者にとって、何よりも心強い安心材料と言えるでしょう。
白色申告の帳簿付けにアプリを使えば確定申告書類の作成まで自動で完了できる
帳簿付けの最終的な目的は、確定申告書類を作成し、税務署に提出することです。
手書きの場合、一年間の記録をすべて自分で集計し、「収支内訳書」などの書類に一つひとつ転記する必要があります。
この作業は非常に時間がかかり、数字の書き写しミスも起こりやすい、まさに正念場です。
一方、会計アプリを使えば、日々の帳簿データをもとに、確定申告に必要な書類がボタン一つで自動作成されます。
例えば「やよいの白色申告 オンライン」は、画面に表示される質問に答えていくだけで書類が完成する機能があり、初心者でも迷うことなく申告準備を終えられます。
この「ゴールまで連れて行ってくれる」機能こそ、会計アプリ最大の魅力です。
アプリの利用は専門知識がなくても直感的な操作で帳簿の付け方が理解できる
「勘定科目(かんじょうかもく)」や「仕訳(しわけ)」といった言葉を聞いただけで、難しそうだと感じてしまう初心者は少なくありません。
※勘定科目とは、お金の使い道を分類するラベル(例:消耗品費、交通費)のことです。
しかし、最近の会計アプリは、こうした専門知識がなくても使えるように親切に設計されています。
例えば、カフェでの打ち合わせ代のレシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、アプリが「これは会議費ですか?」と候補を自動で提案してくれます。
あなたは、その提案が正しいかを確認してボタンを押すだけで帳簿付けが完了します。
このように、ゲームのような感覚で直感的に操作できるため、簿記の知識が全くない初心者でも、使いながら自然と帳簿の付け方を学ぶことができるのです。
初心者でも簡単!会計アプリを使った白色申告のための帳簿の付け方実践ステップ
会計アプリがとても便利であることは分かったけれど、具体的にどうやって使えばいいのか、やっぱり不安に思うかもしれません。
ご安心ください。ここでは、代表的な会計アプリを例にとり、あなたが今日から帳簿付けを始めるための具体的な手順を、一つずつ丁寧に解説していきます。
このステップ通りに進めれば、誰でも簡単に帳簿付けをスタートできます。
会計アプリを使った帳簿付けの3ステップ
- STEP1:自分に合った会計アプリを選んで無料プランから試す
- STEP2:事業用の銀行口座やクレジットカードを連携する
- STEP3:自動で取り込まれたデータの内容を確認・登録する
最初のステップは自分に合った会計アプリを選んで無料プランから試してみること
まずは、どの会計アプリを使うか選びましょう。
初心者向けの代表的なアプリには「freee会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」「やよいの白色申告 オンライン」などがあります。
多くは無料プランや期間限定の無料お試し期間を提供しているので、まずは気軽に登録してみるのがおすすめです。
「freee会計」は操作の簡単さで人気があり、「マネーフォワード クラウド」は連携できる金融機関の多さが魅力です。
「やよいの白色申告 オンライン」は白色申告に特化しており、ずっと無料で使えるプランがあるのが大きな特徴です。
それぞれの公式サイトを見て、画面の雰囲気や料金プランを比較し、「これなら自分でも使えそう」と思えるものを一つ選んでみましょう。
次に事業で使う銀行口座やクレジットカードをアプリに連携して取引データを自動で取り込む
アカウントを登録したら、次に行うべき最も重要な設定が、金融機関との連携です。
あなたが事業で使っている銀行の普通預金口座や、経費の支払いに使っているクレジットカードをアプリに登録します。
すると、アプリが自動的にそれらの口座の入出金履歴やカードの利用明細を取得し、帳簿に記録すべき取引データとして一覧表示してくれます。
この設定を最初にしておくだけで、後々の手入力の手間が9割以上削減できると言っても過言ではありません。
この自動化こそが、アプリを利用する最大のメリットですので、必ず設定しましょう。
自動で取り込まれたデータの内容を確認して簡単な操作で経費や売上を登録する
金融機関との連携が完了すると、あなたの取引データがアプリ内にずらりと表示されます。
例えば「株式会社ABCから100,000円の入金」や「Amazonで5,000円のカード利用」といった具合です。
あなたの仕事は、これらのデータが「何だったのか」を登録するだけです。
入金が売上であれば「売上」として、Amazonでの買い物が事業用のパソコン周辺機器であれば「消耗品費」として登録します。
多くのアプリでは「この取引の科目は何ですか?」という質問形式で勘定科目の候補を示してくれるので、初心者でも迷うことはありません。
これを週末などにまとめて定期的に行うだけで、正確な帳簿がどんどん完成していきます。
昔ながらの手書きによる帳簿の付け方とそのメリットやデメリットを初心者に解説
もちろん、手書きで帳簿をつけるという伝統的な選択肢もあります。
パソコン操作がどうしても苦手な方や、自分の手で一文字ずつ書くことでお金の流れをしっかり実感したいという方には、手書きが向いているかもしれません。
ここでは、手書きで帳簿を行う場合の具体的な方法と、その長所・短所について詳しく見ていきましょう。
手書きの帳簿付けは初期費用が安くネット環境がなくても作業できるのがメリット
手書きで帳簿を始める最大のメリットは、初期費用をほとんどかけずに始められる点です。
必要なものは、帳簿用のノートと筆記用具、電卓だけです。
文房具店で数百円で手に入る「金銭出納帳」や「経費帳」といった専用ノートを使えば、項目があらかじめ印刷されているので便利です。
また、パソコンやインターネット環境がなくても作業ができるため、場所を選ばずに空いた時間で帳簿をつけたいという方にも向いています。
会計アプリの月額料金などをかけたくない、というコスト意識の高い初心者には魅力的な選択肢です。
手書きの帳簿付けは時間がかかり計算ミスや記入ミスが起こりやすいのがデメリット
手書きのデメリットは、その膨大な手間と時間、そしてミスの発生しやすさにあります。
全ての取引を一つひとつ手で書き写し、月末や期末には電卓を使って全ての項目を自分で集計する必要があります。
取引数が多くなればなるほど、その作業は膨大になり、精神的にも大きな負担となります。
また、人間が作業する以上、どうしても書き間違いや計算ミスは避けられません。
たった一つのミスが全体の合計金額を狂わせ、その原因箇所を見つけるために、何時間もかけて帳簿を最初から見直す…なんてことも珍しくありません。この非効率性とリスクが、手書きの最大のデメリットと言えるでしょう。
手書きで帳簿をつける場合に初心者が準備すべきものと具体的な記入方法
手書きで帳簿を始める場合、まずは市販の会計帳簿ノート(コクヨの帳簿製品などが有名です)や、シンプルな大学ノート、ルーズリーフを準備します。
そして、日付、取引内容を具体的に記す「摘要」、収入、支出、残高の欄を作成します。
例えば、4月1日にクライアントから売上10万円が振り込まれた場合、「日付:4/1」「摘要:A社 デザイン料」「収入:100,000」「残高:(前の残高)+100,000」のように記入します。
経費も同様に、レシートを見ながら日付、支払先、内容、金額を丁寧に記録していく地道な作業が毎日必要です。
結局どっち?アプリと手書きの帳簿の付け方で迷う初心者のための最終判断基準
アプリと手書き、それぞれの特徴を理解した上で、最終的にどちらを選ぶべきか。
あなたの状況や性格によって、最適な方法は異なります。
ここでは、あなたが自分に合った帳簿の付け方を選ぶための、具体的な判断基準をいくつかご紹介します。
- パソコンやスマホの操作に抵抗があるか?
- 事業の取引件数は多いか、少ないか?
- 将来的に事業を拡大し、節税も本格的に考えたいか?
パソコンやスマートフォンの操作に抵抗がない初心者は迷わずアプリでの帳簿付けを選ぶべき
もしあなたが、日常的にスマートフォンやパソコンを使っていて、新しいアプリを試すことに全く抵抗がないのであれば、迷わず会計アプリを選びましょう。
手書きに比べて圧倒的に効率が良く、時間も節約でき、正確性も担保されます。
最初は少し操作に戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえば、その便利さから二度と手書きには戻れなくなるはずです。
特に、これから事業を拡大していきたいと考えているなら、将来的なデータ管理の観点からもアプリでの帳簿付けが賢明な選択です。
取引の数が非常に少なくコストをかけたくない初心者は手書きの帳簿も選択肢になる
一方で、あなたの事業の取引数が月に数件程度と非常に少なく、今後も増える見込みがない場合は、手書きの帳簿でも対応可能かもしれません。
例えば、副業でたまにデザインやライティングの仕事を受ける程度のフリーランスの方などです。
また、とにかく1円もコストをかけずに白色申告を乗り切りたいという強い意志がある場合も、手書きが選択肢に入ります。
ただし、その場合は確定申告の直前に膨大な時間がかかることを覚悟しておく必要があります。
将来的に節税効果の高い青色申告を目指すならアプリでの帳簿付けが必須になる
白色申告よりも節税メリットが非常に大きい「青色申告」という制度があります。
将来的に事業が軌道に乗り、より多くの税金を節約したいと考えるなら、青色申告への切り替えを視野に入れるべきです。
青色申告では「複式簿記」という、より複雑な方法で帳簿をつける必要がありますが、これを手書きで行うのは税理士などの専門家でも大変な作業です。
会計アプリを使えば、日々の取引を入力するだけで自動的に複式簿記の帳簿が作成されるため、青色申告への移行も非常にスムーズです。
将来を見据えるなら、今のうちからアプリに慣れておくのが断然得策です。
そもそも白色申告とは何か初心者が知っておきたい帳簿付けの基本的な知識
なぜ、こんなに面倒な帳簿をつけなければならないのか、その背景にある「白色申告」という制度について、ここで簡単におさらいしておきましょう。
制度の目的を理解することで、帳簿付けの重要性もより深く認識できるはずです。
白色申告とは個人事業主やフリーランスが行う確定申告の方法の一つであること
個人で事業を行って所得(儲け)を得た人は、一年間の所得を計算し、それに応じた所得税を国に納める義務があります。
この一連の手続きを「確定申告」と呼びます。
白色申告は、その確定申告の方法の一つで、後述する青色申告に比べてシンプルな手続きで済むのが特徴です。
主に、事業を始めたばかりの個人事業主やフリーランス、副業で収入を得ている方などが利用することが多い制度です。
現在の白色申告ではすべての事業所得者に帳簿の作成と保存が義務付けられている
以前は、年間の所得が300万円以下の白色申告者には帳簿付けの義務がありませんでした。
しかし、平成26年からの税制改正により、現在では事業を行うすべての白色申告者に、帳簿を作成し、それを一定期間保存することが法律で義務付けられています。
つまり、「売上が少ないから帳簿はつけなくていい」ということは絶対に認められません。
帳簿は、あなたの事業活動が正しく行われていることを国に対して証明するための、非常に重要な公的記録なのです。
正しい帳簿付けは税金の計算だけでなく自分の事業の経営状況を把握するために重要
帳簿を付ける目的は、税金の計算のためだけではありません。
帳簿は、あなたの事業の健康状態を示す「経営のカルテ」のようなものです。
毎月帳簿を確認することで、「今月は売上が伸びているな」「接待交際費を少し使いすぎているな」といった経営状況を客観的な数字で把握することができます。
これにより、的確な経営判断を下したり、事業の改善点を見つけたりすることができます。
面倒な作業と捉えず、事業を成長させるためのツールとして帳簿を活用する意識を持つことが大切です。
初心者が白色申告のために作成すべき帳簿の具体的な種類と内容を解説します
「帳簿」と一言で言っても、具体的に何を作れば良いのか分からないと不安ですよね。
白色申告で義務付けられているのは「単式簿記」という、家計簿のようにシンプルな方法で作成する帳簿です。
ここでは、具体的にどのような内容を記録する必要があるのかを解説します。
白色申告の帳簿は日々の収入と経費を記録するシンプルな単式簿記で良い
白色申告で求められる帳簿は「単式簿記」と呼ばれる、お小遣い帳や家計簿のようなシンプルな記録方法で問題ありません。
これは、一つの取引に対して一つの項目だけを記録する方法です。
例えば、「収入」があったらいくら入ってきたか、「経費」があったらいくら出ていったかを記録するだけです。
複式簿記のような複雑な専門知識は必要なく、初心者でも比較的取り組みやすいのが特徴です。
法定帳簿として収入金額や必要経費を記載した帳簿の作成が必須となる
法律で作成が定められている「法定帳簿」として、日々の売上などの収入と、仕入れや経費などの支出を記録した帳簿が必要です。
市販の「金銭出納帳」や「経費帳」がこれにあたります。
具体的には、取引の「日付」「相手先」「内容」「金額」を明確に記録することが求められます。
これらの日々の記録の積み重ねが、最終的に確定申告書類である「収支内訳書」を作成するための基礎となります。
事業内容に応じて売掛帳や買掛帳といった任意帳簿を作成すると管理が楽になる
法律上の義務ではありませんが、事業をより正確に管理するために「任意帳簿」を作成することも強く推奨されます。
例えば、以下のような帳簿があると非常に便利です。
- 売掛帳:商品を先に渡して後から代金を受け取る「掛売り」の状況を管理する帳簿。代金の回収漏れを防ぎます。
- 買掛帳:材料などを先に仕入れて後から代金を支払う「掛買い」の状況を管理する帳簿。支払い漏れを防ぎます。
- 固定資産台帳:パソコンや車など、10万円以上の高額な備品を管理するための帳簿。
これらを手書きで全て管理するのは大変ですが、会計アプリを使えば、これらの補助的な帳簿も自動で作成してくれるため、管理が非常に楽になります。
帳簿付け初心者が陥りがちなよくある間違いと白色申告での注意点
初めて帳簿付けを行う際には、誰でも間違いを犯しやすいポイントがいくつかあります。
事前にこれらの注意点を知っておくことで、後で慌てたり、税務署から指摘を受けたりするリスクを減らすことができます。
ここでは初心者が特に気をつけたい点を具体的に見ていきましょう。
プライベートの支出と事業の経費を混同してしまいがちな初心者の帳簿付け
初心者が最も陥りやすい間違いが、事業の経費と、個人的な生活費を混同してしまうことです。
例えば、家族との食事代や趣味の買い物を経費として計上することは絶対にできません。
経費として認められるのは、あくまで「事業の売上を上げるために直接必要だった支出」のみです。
この区別を明確にするためにも、事業用の銀行口座やクレジットカードをプライベート用と完全に分けておくことが、帳簿付けを簡単にするための鉄則です。
レシートや領収書の保管を怠ってしまい経費の証明ができなくなるケース
経費を帳簿に記録する際は、その支払いを証明するレシートや領収書を必ず保管しておく必要があります。
これらは、万が一税務調査が入った際に、あなたの帳簿が正しいことを証明するための唯一無二の重要な証拠となります。
レシートをもらい忘れたり、保管を怠って紛失してしまったりすると、たとえ帳簿に記録していても経費として認められない可能性があります。
月ごとに封筒を分けるなど、自分なりのルールを決めてきっちり保管する習慣をつけましょう。
「freee会計」などのアプリには、レシートをスマホで撮影してデータとして保存できる機能もあり、物理的な保管の手間が省けて非常に便利です。
帳簿付けを後回しにしてしまい確定申告の直前に慌てて作業する初心者の失敗談
「まだ時間は十分にある」と帳簿付けを後回しにしていると、あっという間に確定申告の期限(通常は3月15日)が迫ってきます。
そして、期限直前に一年分のレシートの山を前にしてパニックになる、というのは初心者に非常によくある失敗です。
溜め込んでしまうと、記憶も曖昧になり、「この3万円の支払いは何だったっけ…?」と思い出せない事態にもなりかねません。
最低でも月に一度、できれば週に一度は帳簿付けの時間を作り、こまめに記録する習慣を身につけることが、白色申告を楽に乗り切る最大のコツです。
白色申告の帳簿付けを継続するための初心者におすすめな日々の簡単管理術
帳簿付けは一度やれば終わりではなく、事業を続ける限り継続していく必要があります。
この面倒な作業をいかに習慣化し、楽にこなしていくかが重要です。
ここでは、日々の帳簿付け作業を楽にするための、ちょっとしたコツや工夫をご紹介します。
帳簿付けを習慣化する3つのコツ
- ルール1:レシートは「魔法の箱」に投げ込むだけ
- ルール2:「帳簿タイム」をスケジュールに強制的に入れる
- ルール3:スマホアプリで「スキマ時間」を徹底活用する
全てのレシートや領収書を一つの箱に入れるだけの簡単保管ルールを作る
経費の記録で最も面倒なのが、日々のレシートの管理です。
そこでおすすめなのが、「レシートボックス」を一つ用意することです。
財布に溜まったレシートは、家に帰ったらすぐにその箱に投げ入れる、という超シンプルなルールを決めるだけです。
こうすることで、レシートの紛失を防ぎ、帳簿付けをする際にはその箱の中身を処理していけば良いので、あちこち探す手間が省けます。単純ですが非常に効果的な方法です。
毎週末の夜など帳簿付けをする時間をあらかじめスケジュールに組み込んでおく
「時間がある時にやろう」と考えていると、忙しい個人事業主にとって、その時間は永遠にやってきません。
そこで、毎週土曜日の夜や、月曜日の朝など、自分の生活リズムに合わせて「帳簿付けタイム」をカレンダーアプリや手帳に予定として入れてしまいましょう。
他のアポイントメントと同じように扱うことで、作業を後回しにするのを防ぎ、驚くほど習慣化しやすくなります。
最初は30分でも良いので、決まった時間にパソコンや帳簿ノートに向かう癖をつけることが大切です。
会計アプリのスマートフォンアプリを活用して移動時間などの隙間時間で帳簿を付ける
ほとんどの会計アプリは、パソコン版だけでなくスマートフォン用のアプリも提供しています。
これを活用しない手はありません。
例えば、電車での移動中や、カフェで一息ついている時など、ちょっとした隙間時間にアプリを開き、数件の取引を登録するだけでも、後々の作業がぐっと楽になります。
レシートをもらったらその場でスマホで撮影して経費登録する、ということを習慣にすれば、レシートを溜め込むことすらなくなります。
白色申告の帳簿付けが終わった後に初心者がやるべき申告手続きと次のステップ
一年間の帳簿付けが無事に終わったら、いよいよ確定申告の手続き本番です。
帳簿はあくまで申告書類を作成するための準備段階にすぎません。
ここでは、帳簿完成後の流れと、あなたの事業の次のステップについて触れておきます。
作成した帳簿をもとに白色申告で必要な収支内訳書を作成して提出する
一年間の帳簿データが集まったら、その集計結果をもとに「収支内訳書」を作成します。
これは、一年間の売上や経費の内訳をまとめた書類で、確定申告書と一緒に税務署に提出します。
手書きの場合は帳簿の数字を自分で転記し、合計額を計算する必要があります。
会計アプリを使っている場合は、この収支内訳書も自動で作成されるため、内容を確認して印刷する、あるいは電子申告(e-Tax)でそのまま送信するだけで完了します。
帳簿や領収書などの書類は法律で定められた期間きちんと保存しておく義務がある
確定申告が終わったからといって、作成した帳簿や集めた領収書を捨ててはいけません。
白色申告の場合、法律で定められた保存期間は以下の通りです。
- 帳簿(収入や経費を記載したもの):7年間
- 領収書や請求書などの書類:5年間
これらは、もし後日税務署から問い合わせや調査があった場合に、あなたの申告が正しかったことを証明するための重要な証拠となります。
段ボール箱などに年度ごとにまとめて、「2023年分 確定申告書類」などと分かりやすくラベルを貼って保管しておきましょう。
事業が軌道に乗ってきたら節税効果が高い青色申告への切り替えを検討する
白色申告での帳簿付けと確定申告に慣れてきたら、次のステップとして「青色申告」への切り替えを検討しましょう。
青色申告を行うと、最大65万円の所得控除が受けられるなど、白色申告にはない大きな節税メリットがあります。
青色申告を行うためには、事前に税務署へ申請書を提出し、より詳細な「複式簿記」で帳簿をつける必要がありますが、会計アプリを使っていれば、設定を切り替えるだけで簡単に対応が可能です。
事業の利益が増えてきて、納める税金が多くなってきたら、ぜひ挑戦を検討してみてください。
まとめ
ここまで、白色申告の初心者向けに、帳簿の付け方をアプリと手書きの両面から徹底的に解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返り、あなたが明日から取るべき行動を明確にしましょう。
白色申告の帳簿付け初心者はまず会計アプリの無料版から試してみることが最初のステップ
帳簿の付け方で迷っている初心者のあなたは、まず「freee会計」や「マネーフォワード クラウド確定申告」といった主要な会計アプリの無料プランに登録してみることから始めましょう。
実際に触ってみることで、その簡単さや便利さをすぐに実感できるはずです。
手書きに比べて、時間と労力を大幅に削減し、ミスなく正確な帳簿を作成できるアプリは、あなたの事業の力強い味方となってくれます。
帳簿付けは難しく考えずに日々の売上と経費をこまめに記録する習慣が何より大切
帳簿付けは、決して難しい専門的な作業ではありません。
基本は、日々の売上と経費を、お小遣い帳をつける感覚で記録していくことです。
大切なのは、難しく考えすぎずに、まずは始めてみること、そしてそれを溜め込まずにこまめに続けることです。
週に一度の時間を作る、スマホアプリで隙間時間に入力するなど、自分なりのルールを決めて習慣化してしまいましょう。
正しい帳簿付けは白色申告を乗り切るためだけでなく自分の事業を成長させるための羅針盤になる
面倒に感じられる帳簿付けですが、それは白色申告という義務を果たすためだけのものではありません。
帳簿は事業の羅針盤
正確な帳簿は、あなた自身の事業の経営状態を映し出す鏡であり、今後の進むべき道を示す羅針盤となります。
どこにお金を使いすぎていて、どこから利益が生まれているのかを把握することで、より賢い経営判断ができるようになります。ぜひ前向きな気持ちで、今日から帳簿付けに取り組んでみてください。
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